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「1年で事業責任者になる」を目指した新卒の歩み。挫折と成長から身につけた自分なりの経営視点とは

プレイドでは、さらなる事業成長のために新卒採用を強化しています。これまでに新卒入社したメンバーは、まだ十数人という段階です。完成していない組織に飛び込もうという方に向けて、実際に新卒入社したメンバーを紹介します。

今回は、もともと研究者として未解決の課題を解く道を志し、その過程で0→1の事業立ち上げや起業への志向を持ち、2022年にビジネス職のメンバーとして入社した仲野彰紘さんにインタビュー。なぜプレイドを選んだのか、これまでの挑戦や失敗、そこから得た課題や学んだこと、今後働く上での想いなどを聞きました。


次世代に何かを残す仕事に挑戦したい

──まず、簡単な自己紹介と学生時代に何をやっていたのかを教えてください。

仲野です。メインの役割としては、プレイドの既存プロダクトや知見を活かしつつも、企業の抱えるさまざまな課題に対する新規ソリューションの立ち上げや推進などに取り組んでいます。他にも技術的な立場から顧客企業と向き合いソリューションを提供する「カスタマーエンジニア」という役割を兼ねていたり、新卒採用に携わったりもしています。

物心ついたころから生き物が好きで、幼少期から大学院に至るまで、一貫して「生き物」漬けの日々を過ごし、大学院の修士課程に進学して哺乳類の子ども「新生仔(しんせいじ)」における免疫について研究していました。研究以外では、当時立ち上がったばかりフットサル部に所属して、4年間の学部生活の間、24時間365日活動しました。チームの立ち上げを経験できたので、いかにチームを強くするか、ウィニングカルチャーを根付かせるか、と考え続けた大学生活でもありました。

──研究と部活に取り組んだ日々を過ごして、就職活動はどうやって始めたのでしょう。

実は最初、企業に就職したいと思っていなかったんです。将来は自分の研究テーマを追い求めて世界を飛び回り、次世代に残る研究をする、インディー・ジョーンズのような人物になりたいという想いがあったからです。その最短距離を進むためには、博士課程進学だと考えていましたし、当時の研究室の教授に「コンゴで霊長類の行動生態学の研究がしたいので、その研究室を紹介してほしい」と相談していました。

教授からは「興味ある分野によって、世界がどう変わるかについての解像度を上げるために、企業や官公庁が何をしているかを知りに行くといい。その上でもう一度話そう」という言葉をいただき、「たしかに」と思い、スタートアップやメガベンチャー、戦略コンサルティングファーム、政府系機関など幅広くインターンに参加しました。

インターンを経て、「研究」と「事業」はアプローチは違えど、次世代に何かを残そうとする営みという面では一緒だ、と考えるようになりました。また、どんな事業や仕事もテクノロジーからは離れられないということも肌で感じました。自分の研究分野であるバイオ領域も、クラウドや機械学習といった技術を用いていたのです。

何社かのインターンを経験して、世界がどう変わろうとしているかを少しは知ることができた後は、企業で働くことに魅力を感じるようになりました。

──そんな考えをもった仲野さんがプレイドに興味を持った理由は何でしたか?

スタートアップに詳しい友人に「かなりイケてるスタートアップで長期インターンとして働きたいんだけど、いいところはない?」という漠然とした質問をして、紹介してもらったのがプレイドでした。「データによって人の価値を最大化する」というプレイドのミッションを見て、すぐに応募しました。

戦略コンサルやメガベンチャーなど、自分が就職を検討した企業から転職してきている人が多いという点も関心を抱いた理由です。応募後、2回ほどの面談を経てインターンとして働くことになりました。インターンを経て、そのまま入社を決めました。

──入社に至った決め手はなんだったのでしょう。

いろいろありますが、「人に惹かれた」というのが大きな要因でした。プレイドの人たちはみんな何かしらの業界の課題を解決しようとして働いていました。視座の高さを感じただけでなく、課題の解決について話すときの目が輝いていたんですよね。

また、テクノロジーを用いてさまざまな業界や産業の課題を解決し得ると感じたことも要因の1つです。「データによって人の価値を最大化する」という大きなミッションに向かって、マルチプロダクトを展開しており、データを活かして製品やサービスを実際に使う生活者の課題解決をできる土台がある。ここならさまざまな課題の解決に挑戦できると考えました。

2022年4月の新卒入社は自分だけ、という点も惹かれたポイントです。他の企業に就職して、大勢の同期がいる環境も良いのですが、そのうちの一人になってしまうよりも、自分で道を切り開き、自分が会社を創る環境に魅力を感じました。

(入社するまでの仲野さんの様子はこちらの記事でも触れられています)

そのアイデアに顧客の声は活かされているか?

──それでプレイドに入社したのですね。入社当時のことは覚えていますか?

そういう想いで入ったので、入社最初のミーティングで「自分が立ち上げた事業の事業責任者になる」と意気込みを宣言したことを覚えています。1年目に事業を作り、2年目には年間で1億円の売上が立つ事業を立ち上げ、会社の成長に寄与したい、と。

──その勢いのまま、仕事に順調に取り組めましたか?

いえ、まったく(笑)。半年は思い通りのアウトプットを出せず、目標とギャップのある日々が続きました。事業をつくる、ということの解像度をなかなか上げられなかったんです。「何が分からないのかが、分からない」時期が続き、問題の解き方が分からない状態でした。

今振り返ると、お客様の課題を解決するための具体的なアイデアや座組み、実現可能性を徹底して考えることが、特にできていませんでしたね。どうしても”プレイドが今持っている技術や事業を起点に”という意識を強く持ち過ぎていました。常にデスクに座り、技術知識をインプットしたり、世の中の事例を調べたり、ソリューションを提供する立場の目線ばかりが強かった。お客様の課題やニーズ、それらの本質的な要因などへの意識が欠けていて、売上も立てられませんでした。

当時チームメンバーとの議論の際に、「アイデアにビジネスとしての実現可能性が足りない」「それってお客様の声がどれだけ反映されているの?」とフィードバックを受けたこともありました。ソリューションを考えるにあたり、まずはお客様のニーズがベースになければ意味がないことに改めて気づかされました。そこからは、自分だけで考えたり情報を集めたりする時間を減らし、お客様の元に行って直接話を聞くことがベースになりました。

お客様の声に加え、事業を始めるには社内でかかるコスト、ビジネスの実現可能性、技術的な障壁など、あらゆる要素を考え尽くさなければなりません。それら一つ一つについて、社内の経験豊富なメンバーたちに聞き回って、課題解決のための思考を深ぼるための観点を得て、問題の設定の仕方や解き方の解像度を上げていきました。

失敗を経て、プロジェクトの意思決定を奪いにいく中での学び

──課題に気づいた後はどう行動したのでしょうか。

事業をつくる人間になるために、お客様の声を直接聴く機会を増やす必要があると考えました。とはいえ、経験や知識の少ない自分がお客様と対等に話ができるシーンはどうしても限られます。まずは、自分の中である程度解像度高く話せる拠りどころ、領域から自分なりの成功体験や成果をつくっていくことが必要だと考えました。短いながら、大学生活の4年間アルバイトを続けたスポーツショップの販売員経験が生かせるのではないかと。

ちょうどその頃、「KARTE Jam(カルテジャム)」というビデオ接客ソリューションの立ち上げが行われていたので、自分もすぐチームに入りました。

https://youtu.be/8lpirVBt2_Y

──チームに加入して、どのようなことを担ったのですか?

加入したのは、初期導入群のクライアントの契約が決まり始めた頃。提供しようとしているソリューションに手応えを感じ始めていたタイミングでした。チームの体制は10名ほどでしたが、ほとんどのメンバーが兼務でチームに関わっている状態。自分も兼務で関わりはじめて、途中から専任になりました。

当時の課題は、ソリューションが提供する価値を確かめること。そして、世の中に出していくための価値提供のフローを構築することの2点。自分も、この2点の課題を解決していくことに取り組みました。

──仮説の検証段階において、どのような役割を担ったのでしょうか。

KARTE Jamが提供する価値の仮説を複数持っており、そのうちの一つである「KARTE Jamを通して、どれだけ売上が立つか、利用するスタッフの評価に繋がるか」といった点の検証を自分が担いました。

学生時代の経験から「店舗にいる人の店舗売上に対する貢献度がわからない」「店舗で働いている人は暇な時間も多い」など、いくつか仮説を持っていたんです。クライアントと対話を重ねながら、仮説を検証していきました。

まず、自分なりの仮説を持ち、コードを自分で書いて作ったデモをクライアントとの会議で見てもらいながら提案しました。店舗にも伺う機会をいただいて、現場のスタッフさんのヒアリングをしながら、デモを見ていただいて感触を確かめていきました。

現場で、仮説のズレを発見することもありました。自分が働いていた店舗は暇な時間も多かったのですが、クライアントの店舗はどの時間でも忙しい環境だったんです。忙しいときに何に時間を使い、数少ない忙しくない瞬間では何に時間を使っているのかを知り、ソリューションに反映していきました。実際の現場のニーズに直接触れる重要さを改めて学びましたね。

──その他に、チームで担ったことはありますか?
チームに入って意識したのは、プロジェクトオーナーが持っている意思決定の機会を奪いにいくことです。生意気な言い方かもしれませんが、プロジェクトオーナーがボトルネックになって事業が進まない状態は望ましくありません。できるだけプロジェクトオーナーの意思決定範囲を自分に移し、役割を分担できれば、プロジェクトがより早く前進すると考えたんです。

当時、KARTE Jamのクライアント4社のうちの3社や、外部開発パートナーとの折衝を自分が担当するようになりました。プロジェクトオーナーの折衝にかかる時間を減らし、事業を良くすることに集中してもらい、ビジネスサイドとエンジニアサイドの両方に入ることでプロジェクトがより早く前に進む力になれたらと考えたのです。ただ、そこで新たな課題に直面してしまって。

──新たな課題というのは?

お客様との折衝を担当するようになったのもあり、できるだけ現場に足を運び、お客様の声を聞きに行きました。

お客様からの要件を伺ったときに、自分ではその希望をどうしたら実現できるのか、どれくらいコストがかかるのかといったことは判断できないことが多かった。

その場では「持ち帰ります」とお伝えするしかなく、社内で改めて相談してお客様にお伝えすることになります。その分、お客様の課題を解決するまでに余分な時間が発生してしまっていました。

──その場での判断が難しかった理由はなんだったと思いますか?

技術的な知識に乏しかったことが大きかったですね。プロダクトが提供する価値を決めるためには、何が価値なのか、どのような仕様になるのか、その開発のためにパートナー企業の工数はどれだけかかるのか、といったことを踏まえた意思決定が必要です。技術的な知識をさらにインプットし、適切な解決策を導くまでの時間をどうしたら短くできるのかを意識的に考えるようになりました。

──新たな課題を踏まえて、次はどのような挑戦をしたのでしょう。

KARTE Jamの経験を活かし、バニッシュ・スタンダード社と協業して、「KARTEでSTAFF STARTライト導入プラン」というアパレル業界向けのソリューションを開発しました。

KARTEを活用することで、スタッフDXのアプリケーションサービス「STAFF START」導入に際して必要なサイト改修の時間とコストを最小化するというものです。

このソリューションは、これまでプレイドがアプローチできていなかったクライアントに「STAFF START」が導入される際に利用されました。ソリューションを開発し、実際にバニッシュ・スタンダード社経由で提案、その後導入まで進行し、プレスリリースも出すという一通りのプロセスをプロジェクトオーナーとして推進できたことは自信へと繋がりました。

この経験は自分にとっても時折思い出す挑戦のひとつなのですが、ただここでも新たな課題を発見してしまって。

──新たな課題というのは?

この開発を進める上で、自分でもコードを書きました。初期の開発は別のメンバーやパートナーが担っていたので、1からコードを書いたわけではないのですが、それでも試行錯誤が必要でしたし、時間もかかりました。もっとエンジニアとしての知識やスキルを身につけることができれば、より早くソリューションを提供できるはず、と考えるようになったんです。
さらなる技術的な知識や経験を、という課題感もあり、カスタマーエンジニアとしての仕事も担うようになりました。プレイドにおけるカスタマーエンジニアとは、顧客とプロダクトの間をつなぎ、プロダクトの可能性を最大化する役割です。プロダクトのコードを書くのではなく、エンジニアの目線で顧客にソリューションを提供したり、現場で発見された課題をプロダクトにフィードバックします。

【プレイドのカスタマーエンジニアとは?】

カスタマーエンジニアとしての経験を積むのは、まだまだこれからです。今後、技術的な知識をさらに高めることで、さらにお客様の事業成長に貢献できる人間を目指しています。

プレイドの未来を自ら思い描き逆算して行動する

──役割が増えたことで、仕事の量も増えたかと思います。自分のリソースマネージメントに関する向き合い方に変化はありましたか。

本質的な意思決定ができるようになるために、「この会社の代表だったらどうするか」と経営の視点から考えるようにしています。ここでの経営の視点というのは、自分なりに会社の未来を考え、そこから逆算して「今やるべきことはなにか?」を考えること。さまざまな仕事があるなか、長期的に見て価値があることに、自分ができることをかけ合わせていこうと意識しています。

──仲野さんはプレイドの未来をどのように思い描いていますか?

自分としては、プレイドはGE(ゼネラル・エレクトリック)のように、時代の流れに合わせてさまざまなプロダクト・ソリューションを生み出し、それらが多くの人に愛されていく会社になるポテンシャルがある会社だと捉えています。そういった会社になるように貢献したいですし、そのために未来から逆算して日々の仕事に向き合っています。

例えば、新しい役割のチーム立ち上げを進める議論を進めているのですが、その中で「そもそも、このチームは立ち上げる必要があるのか」という話になることもあります。

自分たちの忙しさに追われて短期的な最適化をするためにチームを作ろうとしているのだとしたら、それはやるべきではありません。会社の理想像や中長期の戦略を踏まえた上で、ときに根本に立ち返ってでも必要な議論をすべきです。チームに閉じて短期最適の思考になっていないかどうかを確認するためにも、チーム外とのコミュニケーションを頻繁に行うようにしています。

──会社の未来を自分なりに考えるというのは、どのように進めていったのでしょうか?

多様なバックグラウンドを持つメンバーと話す中で、それぞれが考えるプレイドの未来像に触れながら進めています。

プレイドは、多種多様な業界のお客様がいて、中途入社しているメンバーのキャリアや考え方や強みも多様です。自分の責任範囲だけに留まらずに、余白を持って会社のミッションに向き合う姿勢を持つメンバーが多いこともあって、多様な考えや機会に触れることができます。

各メンバーに共通していたのは、目指している世界の遠さでした。多様なメンバーとのコミュニケーションを重ねるなかで、「自分はどうだろうか」と内省をし、自分なりのビジョンが定まっていきました。

──仲野さんが目指す「GEのような会社」になるために実践していることはありますか?

自分なりのビジョンを描けたのが最近なので、しっかりと実践するのはこれからです。いくつか着手し始めたことに、新卒採用プロジェクトがあります。

「新卒で入社したばかりで、なぜ採用にも関わるんだ」と思う人もいるかもしれません。それでも、プレイドが将来GEのような会社になるためには、新卒採用に対して無駄にしていい時間は1秒もないと自分は思っています。

新卒採用に注力することは、長期的な事業戦略に適した人材を採用することであり、企業文化を強くし、会社の第二創業につながると考えるからです。また、新卒で入社し、候補者と年齢の近い自分が価値を発揮できる点もあると考えています。

新卒採用に限らず、会社の成長に貢献し、自分なりに描いたビジョンの実現にもつながる領域では、自分にやれることをどんどんやっていきたいと思います。もちろん、まだまだやれること自体が少ないので、自身のスキルアップと合わせて。

──今後チャレンジしていきたいことについて教えてください。

幼い頃から、経営者の父親に「この世の中に何を価値として残すんだ」と問われてきました。自分の中には、この問いを常に考えています。これは就職前も考えていたことで、今も思いは変わりません。

必ずしも20代のうちではないのですが、エジソンのように人類を前進させる事が出来る人になりたいと考えています。その手段が「研究」なのか「事業」なのかはまだ決めていません。どれだけインパクトをもたらせるかは、課題で決まると思うので、まずは誰が抱えている課題を解決するのかから考えていきたいです。

その意味でも、プレイドにはすでにビジネスで成功し、世の中に価値を生み出してきた人たちが数多くいるので、そうした人たちの隣に座らせてもらいながら仕事ができる環境は恵まれています。

一緒に仕事を進めていく中で得られるフィードバックが学びに溢れているのはもちろん、オフィスで人を捕まえて相談や議論をすることもやりやすい環境だと感じます。本には書かれていないような実践の知に触れられますし、仕事に向き合うマインドセットも学ばせてもらっています。

また、ビジネスサイドの職種は関わる業界も広いため、将来起業を考えている人にとっては、自分に合った機会を広く探すこともできます。これからの時代、非連続なビジネスを創る上でテクノロジーは必須です。

プレイドはテクノロジーが強い会社でありつつも、ビジネスサイドの人間でも職種の垣根を越えてテクノロジーの深い知見も身につけられる稀有な環境だと思います。強い関心があれば、入社の時点でテクノロジーへの知見が深くなくても磨いていけることも魅力ですね。

もちろん、これらの機会や環境を活かすためには、自ら主体的に動き、意志を周囲に伝えることが不可欠です。そういう動き方ができる人であれば、短い期間で大きく成長できる環境は他にないと思います。

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