受注の先にある価値創出を見据え、「商い」の基礎を磨くセールスの歩み
プレイドでは、さらなる事業成長のために新卒採用を強化しています。これまでに新卒入社したメンバーは、まだ十数人という段階です。完成していない環境に飛び込もうという方に向けて、実際に新卒で入社したメンバーを紹介します。
今回は、2021年にセールスとして入社した、高村直輝さんにインタビュー。セールスが商いの基礎だと考えたという高村さんに、なぜプレイドを選んだのか、入社から取り組んだ仕事、失敗とそこから学んだことなどを聞きました。
商いの基礎を磨くために、プロダクトセールスを希望
──まず、簡単な自己紹介と学生時代に何をやっていたのかを教えてください。
私は1年ほどインターンとしての活動を経て、ビジネス職としてプレイドに入社しました。2021年に入社して、KARTEのセールスを担当しています。
高校生までずっと器械体操に打ち込んできて、大学ではダブルダッチのサークルに所属してサークル活動を積極的に行っていました。大学3年の冬にサークルを引退し、どこかの会社でインターンをしたいと考えていた際、プレイドに出会いました。
最初にKARTEのウェブサイトを見たときに、「デザインが綺麗だな」と感じたことを覚えています。当時の自分は、機能が優れているだけでなく、直感的に操作できるUIや温かみを感じられるビジュアルを実現できている、つまりデザインにも力を入れている会社が、将来的にも成長するはずだ、と考えていたからです。
一般ユーザー向けのいわゆるBtoCサービスではデザインが優れていると感じるサービスは多かったのですが、法人向けのBtoBサービスでそういった印象を持つ企業は多くありませんでした。それもあって、KARTEのサイトを見て興味を持ちました。
インターンでは、セールスのロールプレイングに挑戦した際の気づきを、全社員がいるSlackのChannelで発言したことをきっかけにウェビナーの登壇の機会をもらったり、インサイドセールスの業務に携わるなどを経験。これらの機会も、自分には何ができるだろうか?と思考し、行動することで生まれたものだと考えています。
就活にあたっては、他の人が選ばない選択肢のなかから自分が信じられる道を選ぼうと考えていました。例えば、自分が就職活動をしていた当時、自分の周囲ではコンサルティング会社が人気でした。その時点で多くの人が選ぶ選択肢が、将来も同じく価値を持つかは分かりません。
あえて、大多数とは異なる選択をすることで、差異が生まれ、将来有利になることもあるのではと考えたんです。未来がどうなるのかについて、確実なことは分かりません。価値を創り出せるビジネスマンになりたいと考えていたので、「狭き門より入れ」という言葉に倣ってキャリアを選択することにしました。
最終的にプレイドを選んだ理由は、事業の内容が本質的な課題解決に直結していると思ったからです。当時、「データによって人の価値を最大化する」というミッションに付随するようにプレイドが語っていたワードとして「インターネットの構造的欠陥」というものがありました。
インターネットは、コミュニケーションするための技術として役割が変化してきました。その反面、インターネットでのコミュニケーションは相手のことをほとんど知ることができず、データが扱いやすく整理できていない状態になっている。この潜在的な課題に対して、自分たちが解くことで社会に新しい価値を提案していくという姿勢に共感しました。
セールスという役割は自分で希望しました。この意思決定には、器械体操をずっと続けていたことが影響していると思います。器械体操は、基本に忠実なスポーツで、基本中の基本のようなものがあり、それを極めることで技ができるようになっていきます。技が失敗したら、とにかく基本に立ち返る。器械体操の世界で育ったこともあり、基本の重要性を強く感じているんです。セールスは、人と話す、相手の気持ちを動かす、購入していただく、といった商売の基本に関わる仕事です。まず、この基本をしっかりと抑えようと考えました。
(入社当時の高村さんの様子はこちらの記事にて紹介しています)
──配属された当初、仕事はどのように始めていったのでしょうか。
プレイドには、強い意思や熱量、問題意識のある一人ひとりがリーダーシップを持ってチームやプロジェクトを進めることができ、「機会」はメンバー誰もに対してフラットに存在している、という環境があります。自分も、最初は何に対して意思や熱量を持って活動するかを探ることから始めました。
まずは先輩の社員と1on1を行い、業務内容をヒアリングしたりプロダクトのインプットをしたりしました。KARTEを正しく伝えられる状態にいち早く自分自身を持っていくために、「KARTEの入門セミナーに登壇したいです」と上長に伝えて、自分なりに目標を設定してそれに向けての努力を重ねていきました。
資料を見るだけでは理解が深めきれないと感じ、自社プロダクトの中に導入されているKARTEを実際に触って運用してみることで、プロダクトの強みや活用する上でのポイント、ユーザー側の感覚を掴んでいきました。その感覚があったことで、実現できたのがサービスサイトの改善だと思います。
──サービスサイトの改善というのは?
自分が入社した当時、新型コロナウイルスの感染拡大により、対面で会う機会や展示会などが大幅に減少していて、企業のセールス活動におけるオンラインでの接点づくりの重要性が高まっていました。そこで商談の機会を増やすトライをしていくためにプロジェクトチームを発足し、私がプロジェクト全体の推進を担当しました。
KARTEのサービスサイトでKARTEを活用することでお客様への理解を深め、よりニーズに寄り添ったコミュニケーションをとれるよう、さまざまな施策を実行していきました。例えば、資料請求フォームの入力完了画面でオンライン商談の案内をする、SalesforceとKARTEを連携して商談履歴のあるお客様がサイトに来訪した際にSlackで通知がくるようにする、などの改善です。
このプロジェクトは、新卒入社してすぐ取り掛かりました。自分で問題意識がどこにあるか考え、プロダクトの理解を深めようと試行錯誤するなかで生まれたもの。それまでは月数件程度であったオンライン商談の申込も月数十件まで増えるなどの成果もありました。
このプロジェクトの推進や、プロダクトに関するインプットに並行して「なにか手伝えることはありませんか」と声をかけ続けることで、いろいろな人から任せてもらう機会が少しずつできました。
さまざまな機会を商談を磨く糧にする
──入社後すぐに活躍していた印象を受けましたが、セールスとしても順調に業務を進められるようになっていったのでしょうか。
セールスは奥深いので、なかなか「できるようになった」とは言い難いですね(笑)。とはいえ、会議の方針を立てる、お客様の気持ちを考える、商談ステータスを管理する、導入していただける確度を読む、KARTEの導入に際してのリスクの想定など、セールスに必要な一連のプロセスがある程度できるようになったのは入社から1年弱が経過した頃だったと思います。
一連のセールスプロセスを自分で担当できるようになるために、一つひとつの商談から得られる学びを増やすことを心がけました。結果的に失注だったとしても、そこから得られることは多々あります。
例えば、ある案件では1回目の商談内容からお客様がどんなことを気にされているのかを書き出し、シミュレーションを徹底的にやりました。お客様が求める要件は何か、KARTEで要件に応えられるところはどこか、どこにリスクが発生し得るか、想定されるリスクに対してどうすれば軽減できるか、そのリスクをお客様に分かりやすくお伝えするにはどうするか、など。
そのシミュレーションを行った上で、どんな言い回しをするか、伝える順番はどうするかなどを検討し、KARTEを選んでいただくためのコミュニケーション設計をじっくりやりました。この案件は残念ながら失注してしまったのですが、自分なりの商談準備のやり方を身につける機会になりました。
KARTEの商談をする際は、クライアント企業の本質的な事業成長に貢献しうるデータ活用の仕方や顧客体験を向上させるための提案をまとめる必要があります。そのため、プロダクトの機能説明だけでなく、お客様が提供するサービスのユーザーの性質、KARTEを通じて得られるデータにどのような価値があるのか、KARTEを活用するとどうコミュニケーションが変化するのかなどをまとめて提案をしています。
その他にも、商談や提案の仕方をブラッシュアップするためのヒントは広く取り入れるようにしています。例えば、以前の上長がコーチングに造詣が深い方だったので、コーチングのエッセンスを教えてもらい、うまく商談に取り入れられないか?と考えたこともあります。
KARTEは、お客様やその先のエンドユーザーの理想状態から逆算して、潜在的な課題を解いて付加価値を生むプロダクトです。コーチングでは、問いかけを通じてお客様がどんな理想状態を描いているのかを言語化していきます。その方法をヒントに、商談でもお客様がイメージする理想の状態に対して、KARTEならこうして叶えられるとお伝えするアプローチに変更していきました。
自分なりに試行錯誤してまとめた知見は、セールスチームにシェアするようにしています。少しでもKARTEの事業成長に貢献できたらと思いますし、共有できるようにまとめることで、自身の理解度も増すからです。
──他にセールスとして成長を実感した機会はありましたか?
入社から1年弱が経とうとしていた頃、社内の体制変更の影響もあってカスタマーサクセスも担当することになりました。自分で受注した案件の運用までを担当することになり、お客様が課題を解決するためにKARTEを使いこなし、お客様が価値を出すところまで関わるようになりました。
もちろん、最初はかなり緊張したのですが、セールスとして磨いた知識や振る舞いが活かせる部分が大いにありました。お客様の希望を把握する、期待値を適切に調整する、相手に伝わるようコミュニケーションするなど、セールスでの経験はカスタマーサクセスにも活かせる部分があると感じました。
──カスタマーサクセスを経験して、セールスにおける変化もありましたか?
ありましたね。カスタマーサクセスを経験したことで、受注後の実装や運用における解像度が上がり、セールスの提案の仕方も変わりました。実装前後の具体的なプロセスのイメージをしっかり持った上で提案できるのか否かは、お客様の期待値にも大いに関わる部分なので、細部への想像力を発揮できるようになったことはセールスにも生きています。
「受注」のそのさらに先にある、プロダクト成長への貢献に向けて
──セールスとして仕事をしてきたなかで、特に印象に残っている事例はありますか。
大規模なCtoCサービスへの導入事例です。ユーザー数も多く、知名度も高いサービスだったので、自分にとってチャレンジであるだけでなく、会社にとっても重要な商談を担当できたのは印象に残っています。
プレイドではプロダクトの導入やその相談などの問い合わせがあると、案件に関与するメンバーが適切に確認できる仕組みになっています。基本的にはリソースの空き状態に合わせてマネージャーがメンバーをアサインするのですが、この案件に関しては1on1の場で自分から関心があることを伝えました。
他の会社と競合していた提案だったこともあり、それまで担当していた案件よりもプレッシャーも大きく、考えなければならない要素も多いなかで慎重に商談を進めていきました。
先方の担当者の信頼を勝ち得るために意識したのは、社内の部署を横断してさまざまなメンバーの協力を得ながら提案をまとめていくこと。自分は提案のまとめ役として、プロダクト担当者やカスタマーサクセスのマネージャー、セールスの上長などに相談しながら、コラボレーションして商談を進めていきました。
ただ、「協力してください」というだけでは、うまくコラボレーションできません。コラボレーションするためには、目指す状態を共有し、現在の状況に対する認識を揃えることが不可欠です。
お客様に向けて重点的に説明すべき内容の認識が揃っていることで、商談中における各自の言葉選びにも迷いがなく、うまく進めていくことができたと考えています。
──無事に受注が決まったときはどんな心境でしたか。
社内で応援してくれていた人も多かったので、率直に嬉しかったですね。また、今回の件はプレイドとしても大きな案件だったこともあり、受注後に導入プレスリリースを公開しました。事例として打ち出すことで周囲からの見え方も変わりますし、会社としての勢いにもつながります。
お客様と、会社にもたらす価値を最大化するセールスを目指して
──これまでの経験から、セールスとして心がけていることがあれば教えてください。
セールスとして、しっかり商談の準備をして提案を行い、導入いただくことはもちろん大切です。
本当に重要なのは、導入後にお客様の課題を解決し、事業成長に貢献すること。KARTEとしてお客様に提供する価値の最大化を目指しながら、プレイドにとっての価値も最大化する、共創的に価値を大きくしていくにはどうするか?を考え、実行することを意識しています。
例えば、セールスをしているとよりよい提案の仕方や提案に必要な材料に気づくことがあります。それらの気付きをセールスチームに共有することはもちろん、開発チームにも共有してプロダクトの改善につなげられるようにしています。
最近では、セールスやカスタマーサクセスを推進する上での課題や改善点について、他のビジネス職のメンバーも交えて議論しています。サクセスやマーケのメンバーなども交えて、クライアントの管理画面の施策をメンバーでチェックし、議論して、業界ごとの知見・ナレッジに抽象化させ、営業資料、日々の提案業務における重要なポイントなどへ昇華させています。
自分一人でやらずに周りのメンバーと議論しながら営業プロセスを改善していくことで、結果的に提案力の向上も実感しています。
セールスとして、価値のあるプロダクトにすることに貢献し、営業プロセスも磨き込んでいくことに寄与する。そうやって、KARTEやプレイド全体の成長率の向上につながる改善や工夫にどんどん取り組んでいきたいですね。
──最後に、今後チャレンジしてみたいことはなんですか。
冒頭でも話した通り、ビジネスの基本としてセールスを突き詰めていきたいと思います。とはいえ、「とにかく売ってくる」ようなセールスではありません。価値のあるプロダクトをつくり、そのプロダクトが売れる状態をつくり、事業成長につなげていく。そのために必要な役割を担える人材を目指していけたらと思います。
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