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顧客の課題解決と同時に、プロダクトへのフィードバックの質を上げるカスタマーエンジニアリングとは

プレイドには、カスタマーエンジニア(CE)とカスタマーサクセス(CS)という顧客に伴走する職種が複数存在します。

プロダクトと顧客の間を埋め、課題を解決するために、チームとしてどのように取り組んでいるのか。プレイドの池上と栗山に聞きました。

CEについての概要はこちらをどうぞ。


池上純平
1990年生まれ。東京大学経済学部卒業後、富士通株式会社を経て2016年11月より株式会社プレイドにジョイン。開発、テクニカルサポート、データ分析など幅広い役割を担う。YouTuber。Twitterアカウントは @jumpei_ikegami 。

栗山玲依
Lead Customer Experience Designer
 / Customer Success Manager
スターバックスでのアルバイト経験を経て、新卒で凸版印刷に入社。大手外食チェーンの店頭販促の企画営業を経験し、株式会社Speeeに転職。SEOのコンサルタントとして従事した後、2015年にプレイドに入社。サービスリリース初期からセールスからカスタマーサクセスなどビジネスサイドの業務全般を経験。

それぞれの立場から顧客の課題解決に向き合う

──CEとCS、いずれも顧客に向き合う役割ですが、どのように連携していますか?

栗山:
基本的にCSが顧客の窓口となって対応していますが、顧客の実現したいことを手助けする際にエンジニアリングが必要な場合に相談しています。スポットでヘルプに入ってもらったり、大きめの連携が必要な際に関わってもらったりしています。

CEはKARTEのことを広く知っているので、誰に聞いたらいいかわからないことをとりあえず聞く相手にもなっています。相談すると「それはこの人に聞くといいよ」とガイドしてくれるので、困った時の砦になってくれている感じがありますね。

──具体的にどのように業務に取り組んでいますか?

栗山:
大きく分けると、顧客全体に共通した汎用的な対応と、個別の状況に合わせたカスタマイズした対応があります。CSとCEが連携する際に発生するのは、顧客から技術的な相談があった際のエスカレーション、導入初期の構築やデータ連携などの業務です。

一つひとつの課題解決に取り組んでいると、「ドキュメントのわかりづらさやプロダクトの使いにくさを改善すれば解決できるのは?」と、個別の課題ではなく、共通するイシューが浮かび上がってくることがあります。これらを課題として上げるだけでなく、根本的な解決策に落とすためにも、CSとCEの連携が必要ですね。

池上:
課題の根本解決のために、CSと連携してサポートサイトそのものの作り直しに取り組んだこともありました。ドキュメントをよりわかりやすくする、プロダクトの基礎知識を伝えるための学習コンテンツの作成など、顧客に共通する課題を汎用的に解決する方法を考えて実行しています。

対応する範囲は広いので、それぞれの業務量のバランスをとりながら、個別対応でいいのか、共通の課題として解決するのか、解決するとしたらどの手段かなどを随時判断しています。もちろん、常にうまくいっているわけではなく、ちょっとずつ失敗しながらラーニングして判断の精度を上げています。

──顧客の状況に応じてカスタマイズして対応するのはどのようなケースでしょうか?

池上:
ときには、複雑な施策の実現やシステム間のつなぎこみなど全体設計のお手伝いをすることもありますし、顧客と連携してひとつのプロジェクトとして大規模に進めていくこともあります。

栗山:
大規模なケースの例には、NRIデジタル、三菱地所グループと連携したプロジェクトがあります。このプロジェクトは、同グループが提供する幅広い事業・サービスにおける「膨大な顧客接点」をデジタルでつなぎ、オンラインとオフラインを横断した新しい顧客体験や事業・サービスの創造を目指しています。この件ではCSとCEが一緒になり、顧客のニーズに合わせてKARTEをカスタマイズして対応しています。

他にも、KARTEをカスタマイズしてラグジュアリー化粧品ブランド「ランコム」の公式オンラインショップで開始したオンライン美容相談にチャットサービスを導入したケースもあります。

KARTE以外のサービスとの連携も視野に入れ、こうした取り組みからKARTEを活かした事業開発につながるケースもあります。

技術面で顧客と信頼関係を構築する大切さ

──CEに声がかかるのはやはり顧客の社内にエンジニアがいない場合ですか?

池上:
いえ、KARTEについての理解が深くないと、実装までのスピードが遅くなってしまうこともあるので、顧客の社内にエンジニアがいる場合でも支援することがありますね。

栗山:
CSとしても、顧客にエンジニアや技術的な知見を持っている方がいる場合でも、あえてCEをアサインしています。

──具体的にはどのような場面でアサインしているのでしょうか?

栗山:
顧客との会議中、技術的な質問を受けることがあります。その質問をCSが持ち帰り、中継して返すこともできますが、CEが同席していれば、その場でスピーディに質問の意図を汲み取って回答できます。これは技術面での信頼関係を構築する上で非常に重要だと考えています。

──CEとして顧客のエンジニアと共に仕事をするのはいかがですか?

池上:
顧客や開発パートナーのエンジニアの方と議論するのは楽しいですね。

KARTEは使い方が決まっていないからこそ、なんでもできる。できることが数多くあるので顧客の話を聞いていて「こんなことできるのになぁ」ともったいなさを感じる場面があるんです。

顧客や開発パートナーのエンジニアの方と一緒にKARTEの使い方を議論する中で新しい価値や機能が生まれることも多々あり、結果としてプロダクトの価値を高めることにもなります。CSが顧客の期待を高めてくれているからこそ、こうした顧客との連携につながっているので、CSには感謝しかないですね。

プロダクトへのフィードバックの質を上げる

──CSの視点から見て、CEと連携することで感じている価値は他にありますか?

栗山:
プロダクトへのフィードバックですね。顧客に伴走していると、様々な課題を発見します。なかにはプロダクト自体を変えることで解決できるものもあり、開発チームにフィードバックを伝えるのですが、その際にCEがいてくれると伝わりやすさが違います。

開発チーム側への理解もあり、顧客がなぜ必要だと言っているのかも理解しているCEがいることで、的確にプロダクトへのフィードバックが伝えられるんです。CSの視点からだけでは伝えるのが難しいケースでは非常に助かっています。

例えば、過去に顧客からのニーズで施策設定した経緯や目的をメモできる機能を実装したことがあります。一人でKARTEの運用しているだけではあまり必要のない機能ですが、複数名でKARTEを使っていたり、運用担当者が変更になって引き継ぎなどが発生する場合にとてもニーズがあり、顧客からの声を反映して作られたものになります。

こうした運用の視点や、現場のニーズなどを開発チームのエンジニアだけでキャッチアップして開発に反映するのは難易度が高く、CEがいることでどう実装するかの議論がスムーズになっています。

──プロダクトのフィードバックに関してCEとして意識していることはありますか?

池上:
なにかの機能についての要望を開発チームに伝える際も、他の機能との組み合わせや全体での位置づけを理解した上で、円滑にコミュニケーションするようにしていますね。スピードを重視する際は、CEが自分たちで簡単な機能をつくってしまうこともありました。

小さな機能を開発して提供したり、テンプレート化したりと、CEが試しに実装してみるというのは意識的に取り組んでいます。そうすると、クイックに動けますし、顧客の課題を素早く解決することにもつながります。

栗山:
最近、CSでは「プロダクトへのフィードバックをもっとしないとね」という話をする機会が増えています。サービスも少しずつ成熟しておきており、既存顧客も増えています。KARTEをベンチマークする競合も増えるはず。

プロダクトアウトを重視する姿勢は大事にしつつも、マーケットや顧客の声を反映して、プロダクトを改善していかなければなりません。顧客の声を一緒に聞いてくれているCEが、一緒に声を開発チーム側に届けてくれることは、プロダクト自体の改善や、事業成長にとっても重要なことだと考えています。

カスタマーエンジニアリングのチームとして目指すこと

──これから挑戦していきたい領域はなにかありますか?

池上:
プロダクトにどうフィードバックしていくかは、カスタマーエンジニアリングのチームとして向き合う課題でもあります。

顧客、CS、セールスなど、関係者から寄せられるプロダクトへのフィードバックやリクエストをいかにスピーディに伝えて改善するか。大事な課題ですが、具体的にどう解いていくかはこれからのチャレンジですね。

プレイドは、プロダクトの開発から、販売、サポートまで、一貫して全て手掛けています。本来はもっとスピード感をもってプロダクトの改善ができる環境でありつつも、その強みを活かしきれていないので、挑戦していきたいですね。

栗山:
とはいえ、この領域をメインの業務として担当する人間は社内にいないので、カスタマーエンジニアリングチームがステークホルダーの間に立って、課題を解いていかないといけないと考えています。

池上:
現在のKARTEは、プロダクトの機能が増えて今まで以上に懐が深くなり、使い方のパターンが増えています。KARTEという大海原にいる顧客が、どこにいるのか、どこに進めばいいのかもわからない状況です。

顧客の数も増えている今、KARTEをどう使いこなしてもらうのがいいのかを考えて、多様な機能を活用した価値創出のパターンをつくり、半ば自動的に案内できるようにしていかなければ、事業がスケールしません。

属人的に対応していた領域をいかに仕組みに落とし込むのか。顧客とプロダクトの間に落ちているものをどう掬い上げて対応していくのか。これらのイシューにカスタマーエンジニアリングチームとして取り組みたいと考えています。


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