見出し画像

越境する開発者:PdMの領域も担う、プレイドのエンジニアの働き方

プレイドのプロダクトチームでは、エンジニアやデザイナーがプロダクトマネージャー(PdM)のような役割を担うことがあります。そもそも役割の境界線が厳密に引かれていません。

プレイドに2024年2月に入社したエンジニアである長 貴之も「気づけばプロダクトマネジメントみたいな役割もしていた」と言いながら、開発をしつつ仕様設計やときにクライアントとのコミュニケーションまでも行っています。役割を限定せず、仕事の幅を無意識に、あるいは意識的に広げているメンバーも存在するプレイドのプロダクトチーム。実際どのように動き、それによってどんな成果を生み出せているのかを長に聞きました。

ビジネスとエンジニアを行き来したジグザグなキャリア

――まずは自己紹介をお願いします。

KARTE for App」の開発チームのエンジニアの長です。大学の専攻は文系でしたが、「これからの時代はITだ!」と思い、学生時代にエンジニアとして2社でインターンを経験しました。ただ、コーディングに夢中になるあまり、「何を作るか」より「どう作るか」という技術的な側面ばかりに目が向くようになってしまって。ビジネス視点が持てないのは良くないんじゃないかと思い、2016年の新卒時はエンジニアではなく総合職でクラウドソーシング事業を展開する会社に入社し、カスタマーサクセスに従事していました。

ただ、やっぱりコーディングがやりたくなって、約半年で辞めて農業系の小さな規模のスタートアップに転職し、そこではWebサービスのエンジニアとPdMを経験しました。次のインバウンド旅行業スタートアップでもアプリのエンジニアとPdMを経験し、4社目となるプレイドには2024年の2月にエンジニアとして入社しました。

長 貴之(Engineer)

――プレイドに入社を決める当時、転職活動を積極的にしていたのですか。

はい。前々職から計7年間しばらくスタートアップだったので、一度フェイズの違う会社で働いてみたいと思ったことが転職の理由の一つ。それからこれは働きながら気づいたポイントだったのですが、自分がプロダクトのユーザーになることはなく、どうしても自分ごととして捉えきれなかったことが気になってきてしまったということもありますね。次は自分がユーザーとして興味が持てるプロダクトに携わりたいと思い、転職活動をしていました。

軸はプロダクトを自分ごととして考えられるか

――プレイドの選考を受けてみようと思ったきっかけは?

先ほどお話ししたように転職活動においてはまず、自分ごととして考えられるプロダクトかどうかを重視しました。自分ごと化できないプロダクトだとやる気が長続きしない、自分がやらなくてもいいんじゃないか、と思ってしまうなと。プレイドに興味を持った直接的なきっかけは、前の会社で「KARTE」と近い領域にあたるマーケティングツールを使っていて、「もっとこうしたら良いのに」という課題を自分でも感じていたこと。その解消に取り組みたいと思ったんです。

――具体的にどんな課題を感じていたのでしょう?

マーケティングツールを使うのは、基本的にマーケティング部門の人ですが、技術の知識もある程度必要なので、エンジニアである自分が対応することも多かったんですよね。マーケティングチームに技術に詳しい人がいないという組織の課題もあったと思うし、そもそもツールに使いにくい部分もあっただろうし、原因は複合的ですが、ペインを知っていたので解消したかった。KARTEのようなプロダクトなら自分としても解像度が高く、これまでやってきた経験を活かして、パフォーマンスを発揮できそうだと思えたのも大きいです。

2社目と3社目でエンジニア兼PdMとして働いていたこともあり、実は転職活動時点ではPdMをメインに探していました。プレイドはPdMの募集がなかったんですけど、元同僚がプレイドにいたので話を聞いてみると、縦割りで言われたことだけをやる会社じゃなさそうだなと。事業内容には惹かれていたので、エージェント経由で連絡を取り、カジュアル面談を行い、そこから選考に入っていきました。

――当初、プレイドに対してどのような印象を抱いていましたか?

知り合いが働いていたので親しみは感じていましたし、実はプレイドがオフィスを移転した際の記念パーティに遊びにきていたんですよ。当時は働く場所としてはまったく意識していなかったんですけど、その時の印象は、エンジニアが優秀そうだけど、少しとっつきにくそうだなという感じでした(笑)。ただ、いざ転職先として意識すると、優秀なエンジニアに囲まれて働くのは刺激になりそうだし、最初から志望度は割と高めでポジティブに検討していましたね。

――選考の過程でそのイメージは変わりましたか?

そうですね。選考の面談って、結構試されるような会話が中心だと思うんですけど、プレイドは対話型でした。面談を担当してくれた人が、KARTEのジャーニー機能の設計・検証・改善機能を開発したエンジニアだったのですが、「これ面白いんですよ!」「ここに苦労したんですよ」など自分が開発した機能を本当に楽しそうに語っていて、いい感じだなあと。並行していくつか別の会社を受けていましたが、どこか雰囲気が違いましたね。

あとは、私はPdM志望ではあったものの、強いPdMが強い統率力を持ってチームを率いていくよりは、エンジニアやデザイナーの意見も聞きながら、みんなで作っていくような開発の方が好きなんです。エンジニアやデザイナーもちゃんと楽しく働けるし、その結果、より良いサービス・プロダクトを開発できる、というのが持論です。面談で話を聞いて、プレイドならエンジニアという立場であっても、プロダクトマネジメント的な観点や立ち位置での仕事もできる環境だと思えたのも惹かれた点でした。

――ちなみに、最終的にプレイドに決めた理由は?

長:あくまで私の感覚ですけど、一番自由に開発できる気がしたんです。エンジニアとしての役割が限定されない自由さもあるし、プロダクトのフェーズとしてもまだまだ自由に開発できる余地がある。それから、主なドメインがマーケティングという自分ごととして向き合える領域であること。これらを総合して決めました。

気づいたら、プロダクトマネジメントもやっていた

――今の仕事内容を教えてください。

KARTE for Appのプロダクトチームで、エンジニアとして開発をしています。実はKARTE for Appは、数年間専任のプロダクトチームがなく、私が入る半年くらい前に再結成されました。プロダクトはずっと存在していましたが、ここから改めて開発に注力しようというフェーズ。競合と比較した時に足りない機能を補完したり、競合優位となる新たな差分を作ったり、守りと攻めを同時に行っています。

チームメンバーは約10人で、うちエンジニアは4人。ほかにはデザイナーやカスタマーエンジニア、プロダクトマーケティングマネージャーなどがいます。

現在、KARTE for Appのプロダクトチームで開発している機能は大きく2つあります。1つは先ほども触れたジャーニー機能です。全体的なカスタマージャーニーをベースに、シーンやシナリオに合わせてメール配信やアプリプッシュなどを設計できる機能です。もう1つは私が担当している「設定値配信」で、これはユーザーがアプリのアップデートを行わなくてもアプリの外観や動作を変更できる機能です。

設定値配信の機能は、かなりテクニカルな要素が強いサービスで、仕様の決定やクライアントとの検討においても、技術の知識がかなり求められます。そのためエンジニアは単に開発して実装するだけでなく、仕様を整理したり、実装を指揮したり、時にはクライアントへの説明もします。これって、一般的にはPdMがやることなんですけど「設定値配信」機能においては、専任のPdMがいないこともあり、そのあたりも私がやっています。

――それは入社当初からですか?

いえ、入社当初は開発だけしていたんですけど、いつからかな。正直、今日のインタビューが設定されるまで、自分がエンジニアなのにPdMっぽい動きもしていることは、あまり意識してなかったですね(笑)。名刺の肩書はエンジニアだし、明確に「プロダクトマネジメントもお願いね」と頼まれたわけでもない。他にやる人がいないから、でも確実にやった方が良いことだから、気が付いたらやっていた感じです。あとプレイドでは、あんまり珍しい現象でもないので。社内には私以外にも、プロダクトマネジメント的な領域をカバーしているエンジニアが何人かいると思いますね。

――エンジニアでありながら、PdMのような動きや役割を担っていることは、キャリアの観点でプラスになっていますか?

個人的にはめちゃくちゃプラスだと思っています。エンジニアだけ、PdMだけと範囲を限定せず、必要に応じて越境しながら動き、クライアントに価値を届けるところまで一貫して関わる経験は、今後もいろいろなシーンで活きると思います。

デリバリーまで担当すると、クライアント目線のニーズや改善点、カスタマーサクセスなど社内の他部署の苦労や工夫している点も見える。エンジニアとしても全体を把握できると、「今後こういう機能が必要になるはずだから、その前提の設計をしておこう」とか「新しい価値を生む機能をつくったら、ここを工夫するとスムーズに使い始めてもらえそう」とかイメージできます。結果として、プロダクト開発の精度や自分の仕事の価値を高められると思っています。

キャリアのために、と考えていたわけではないのですが、成果は出せていると実感できているので、プラスと言っても良さそうかな。あとは純粋に全体をわかったうえで開発できると面白いし、やる気やモチベーションにもつながっていますね。

――プレイドならではの面白さはありますか。

あくまで主観ですけど、プレイドのエンジニアは領域を分けずに越境しながら開発していこうという意識が、多分これまでいたどの会社よりも高いんですよ。エンジニアだけでなく、デザイナーもそう。みんな関心領域がすごく広いんです。

例えば開発フローでいうと、アプリチームではかっちりしたスクラムを運用していません。スクラムは開発を管理するうえでは優れたツールではあるのですが、ルールとして一定のことを強制してしまうこともあり、チームメンバーの関心領域が一定高く、自律的に動けるチームにはオーバーヘッドな側面があります。「アジャイルソフトウェア開発宣言」では、「プロセスやツールよりも個人と対話を」価値とすると謳っていまして、ルールを最小限にとどめ、必要な時に必要な対話をしながら進められている今の状況は、これまで経験した開発現場の中でいちばんアジャイルなのかな、と感じています。

チームメンバーそれぞれが自分の得意を武器にしつつ、得意な人が忙しい場合は助け合うのが大事だと思っていて。たとえば、デザイナーが忙しい時は、他のデザインツールを使える人が最低限のデザインまではしておくとか、みんなで柔軟に相互補完的に開発することで素早いデリバリーにつながっています。

領域を越境して動くからプロダクト理解が深まる

――パフォーマンスを出せそうと感じ入社を決めたと言っていましたが、実際の手応えはどうですか。

思ったよりうまくいっていると思います。前職より事業の解像度も高いし、自分好みのスタイルで働けているから、コミットできていると思っています。それによって社内のメンバーとも信頼関係を構築できて仕事の幅が広がっていますね。今は新機能のリリース時にビジネスメンバー向けのアナウンスをしたり、使い始めてもらうために「コミットしてもらえませんか?」という相談をカスタマーサクセスのメンバーに持ち込んだりもします。

先日クライアント向けのイベントに登壇したのですが、それもビジネスメンバーとの関わりを持って、自分のできることややりたいことが認識されて、「この人ならいけるだろう」と思ってもらえたからかなと思っています。

――プレイドで働き始めてこれまで、何か苦労したことはありませんか?

今のところは強く感じることはないですね。ただ、「ここまで」という線引きをせず、仕事を広げられることを気に入っている一方、「どこまでやるのか」はある程度は決めておかないと、今後責任範囲が広くなりすぎて疲弊するかもしれないですね。

短期間なら乗り切れても、無期限で継続し続けることは無理ですし、属人的に頑張ってどうにかするポイントでもないですし。となると一度持ったものを手放すことも必要になるかもしれないし、絶対に手放してはいけないことの切り分けも必要で、そこは結構難しいところかなと思っています。自分で主体的に決めていく必要性、逆に言うと裁量がある環境なので、このあたりの判断をうまくやりつつ、周囲とも連携して仕組みで解決していくことも取り組んでいきたいですね。

――KARTE for Appというプロダクトならではの面白さは何でしょうか?

エンジニア目線だと、ポップアップの出し方一つにしても技術的な学びが多く面白いですね。それから、クライアント向けにしっかり作られたSDKがあり、それを開発するのも面白いです。あとはアプリ全体を扱うチームなので、できることやソリューションの幅が広く、考える余地がたくさんあるのが楽しいですね。

今はメンテナンスをしつつ、新規開発もして積極的に進化させているフェーズなので、新しいものをどんどん作っていく面白さもあります。

――プレイドという会社や環境、メンバーに感じることはありますか。

基本的に自由度や裁量が大きく、特に開発のプロセスはすごく自由ですね。前職は未上場のスタートアップで、そこも自由だと感じていたのですが、プレイドはさらに自由に感じます。一般的に、会社で何か新しいことをやろうと思ったら、それなりに承認プロセスを経なければなりませんよね。プレイドでも無いわけではないのですが、そこまで大きな話でなければ、まずはやると宣言して後から詳細を報告するパターンもあります。自分で考えて動けるんですよね。

もちろんクライアントが満足して社内メンバーも納得できるプロダクトを作るというゴールへの責任はあります。結果が出なければ「これ続けるの?」と問われもしますが、やみくもに怒られることはない。行動を起こすことへの心理的ハードルがあまり高くなく、第一歩は踏み出しやすいと思います。

それからチームメンバーが大好きです。さきほども言ったように、エンジニアもデザイナーもみんな強い専門性を持ちながら、お互いを尊敬しながらも、ときに越境しながらプロダクト開発をしていて、自然に気配りもしているから、信頼関係も構築できている。そういう土壌があるプレイドが好きだし、そう振る舞えるメンバーも好きだし、結果チームもすごくいい状態にあると感じています。

マーケティングやプロダクト戦略の課題解決も 

――KARTE for Appを今後どうしていきたいと考えていますか。

短期的には、今担当している設定値配信を来年までにしっかり作り込みます。中長期では、KARTE for App単体だけでなく、他プロダクトとの連携を強化し、競合にはない機能も実装するなどマルチプロダクトの強みを活かしながら、より大きな価値を提供していきたいですね。

――プロダクトに限定せず、力を入れていきたいことはありますか。

もともとマーケティングやプロダクト戦略に興味があってプレイドに入社したので、そこは詳しくなって、使えるようにしていきたいですね。KARTEを使っているクライアントの中には、施策の振り返りをエクセルで管理しているようなところもあり、少しもったいない。マーケティング領域では、「もっとこうしたい」というアイデアがいろいろ浮かびますね。

プレイドに入社して、クライアントとも話す中で、やはり日本のMarketing OpsやProduct Management Opsには課題が多いと感じているので、そこに対してアクションを起こしていきたいですね。組織や施策など改善できることはいろいろあるはず。そう考えると、今プレイドにいるのは現時点でベストな選択肢。マーケティングやプロダクトマネージメントの領域を突き詰めて、新しくそして良いプロダクトをどんどん作っていきたいです。

■ 関連の採用情報