ビジネスサイドからカスタマーエンジニアに転身した&できた背景、そこから広がるキャリアの可能性
顧客とプロダクトの間をつなぎ、プロダクトの可能性を最大化する役割であるカスタマーエンジニア。顧客のニーズや課題を理解するコミュニケーション力と同時に、課題解決のための技術検証やソリューション開発など技術力も求められます。
プレイドには、技術スキルや経験がほぼない状態でビジネスサイドの役割からカスタマーエンジニアに転身したメンバーがいます。2023年にカスタマーエンジニアチーム内に創設された新ユニットに所属する島本花純と仲野彰紘に転身の理由や背景や苦労、得られたことなどを聞きました。
セールスでもエンジニアでもない、カスタマーエンジニアという仕事
――まずは自己紹介をお願いします。
仲野:プレイドにはインターンを経て2022年4月に新卒で入社しました。実は別の会社から内定をもらっていたのですが、その会社に入社前にテクノロジーに長けたスタートアップでも働いてみたいと思い、インターンとして働くうちにプレイドに惹かれ、身勝手ながら直前に「プレイドで働かせてほしい」と人事担当者にお願いしました。
理由は大きく三つあって、一つ目はプレイドの持つテクノロジーとそれを実現する優秀なエンジニアがいる環境に惹かれたこと。二つ目は、ビジネス職での同じタイミングでの新卒入社は自分だけだったので、これからどんな道でもつくっていけそうだったこと。三つ目は人ですね。学生時代からいつか科学技術を使った事業を立ち上げたいという想いがあり、ビジネスサイドとエンジニアサイドがシームレスに溶けているプレイドの環境は最適だと思ったんです。1年目はビジネス職としてパートナー企業と一緒にソリューション開発をしていました。
新卒入社メンバーとして受けたインタビューも出ているので、もし気になる方がいればそちらも読んでいただけると嬉しいです。
島本:私は2019年8月に入社、プレイドは2社目です。新卒では、電通グループのインターネット広告に特化した広告代理店に入社し、さまざまな業界の広告運用やコンサルティング業務に従事していました。数字を改善していくのは楽しかったのですが、5年半で一定やりきった感覚があって。広告はGoogleやヤフーなど他社プロダクトの上で運用するものだったので、今度は自社プロダクトでエンドユーザーに価値を届けたいと思ったんですよね。
もともとデジタルが好きで仕事にしたくて、プレイドのミッション「データによって人の価値を最大化する」に強く共感して入社を決めました。入社後は、セールスやカスタマーサクセス、広告領域における新規事業の推進というビジネス側の役割を経て、今はカスタマーエンジニアです。
――現在、お二人が所属する組織と役割について教えてください。
仲野:二人ともカスタマーエンジニア、簡単に言うと、クライアント企業やその担当者様に近い領域で動いているエンジニアですね。
プレイドのカスタマーエンジニアチームには三つのユニットがあり、我々は「セールスエンジニア」というユニットにいます。このユニットの役割は、クライアントが抱えている課題をエンジニア視点でヒアリングし、それに対して最適なソリューションを考える。それも個社最適ではなく、業界の全体などできるだけ広い範囲の最適で考えて、汎用的な形で世の中に届けることに責任を持っている部署です。メンバーは僕を含め4人で、島本はユニットのドンですね。
島本:ドンって(笑)。確かにユニットのリーダーとして、何をやっていくかの旗を立ててメンバーをリードしてはいるものの、4月に立ち上げたばかりの組織なので、まだ手探り状態。マネジメントに特化しているわけではなく、やっていることは他のメンバーとあまり変わらず一緒に働いています。
――ちなみにカスタマーエンジニアチームの残り二つのユニットはどんな役割を担っているのでしょうか。
島本:一つは「ソリューションエンジニア」。実際にソリューションをつくって世の中へ広めることに責任を持っている部署で、メンバーはカスタマーエンジニアチームのボスである池上一人です。もう一つは、クライアントの個別課題解決などに取り組みながらプロダクトの価値を届ける「カスタマーリライアビリティエンジニア(CRE)」で、メンバーは4人います。
三つのユニットにわかれていますが、オーナーシップの持ち方の重心が異なるくらいの感覚が正しいと思います。カスタマーエンジニアは基本的にジェネラリストとして動くので、みんな幅広いことを業務としてやっています。
――カスタマーエンジニアのお仕事をもう少し詳しく教えていただけますか。
仲野:目指していることは、既存プロダクトの力を最大限発揮できるアプローチを提案し、クライアントに価値を実感してもらうこと。プレイドはマルチプロダクトで事業を展開しているので、いまやビジネスサイドのメンバーがすべてのプロダクトを深く網羅的に把握するのはかなり難易度が高い。そこで、我々が技術的な観点から、「クライアントがやりたいことを実現するにはこういう組み合わせや機能が使えますよ」とアドバイスしたり、潜在的なニーズを拾い、技術的な解決策の提案やソリューションの構築を行ったりします。ビジネスサイドがクライアントから預かった課題に対応することもあるし、商談に同席して直接クライアントに答えることもあります。
もう少し具体的に答えると、クライアントが利用している他SaaSや社内システムとの連携といったシステムサイドの話がメインであれば、自分の手元で技術検証をしてそのまま商談でクライアントと実装方法・そのフィジビリティについて議論し、形にしていきます。個人的な業務割合の感覚だと、1週間のうちで4割がクライアントと喋る時間、もう4割がコードを書く時間、残り2割がその他・社内ミーティングなどといった形です。
島本:現在は依頼がくれば、クライアントとの商談に同席して技術的な支援をするという体制ですが、カスタマーエンジニアに対してセールスがなかなか依頼をかけてこないという課題もあります。他部署へ依頼をかけることに一定の心理的なハードルがあるようですね。組織をまたいだ最適なコミュニケーションのやり方をまさに今試行錯誤している段階です。
仲野:既存プロダクトの価値を届ける以外にもう一つ、プレイドが提供する価値を最大化することも我々の大きな仕事です。クライアントのニーズに対する提案を、その企業だけで終わらせずに、世の中の課題に対する汎用的なソリューションにする。事業開発寄りの仕事ですね。プレイドのプロダクトだけで解けない課題があれば、パートナー企業とも協力しながら技術検証やソリューション開発をしています。
――技術的な課題をプロダクト開発部門や担当エンジニアに渡すことはないんですか。
島本:もちろんあります。サポート業務を行う中でクライアントからの要望を聞くことは多いですが、ただ開発チームに伝えて要望に応えるだけではありません。どうプロダクトに反映すれば、より汎用的な改善につながるかを意識してフィードバックをしています。プロダクトのあるべき姿や進むべき方向性を理解した上で、クライアントやその先のエンドユーザーにとっても最良の打ち手を考えることが大事ですね。
仲野:逆に、アプリケーションのような形で新規に既存プロダクトに載せるものであれば、我々が手を動かして開発し、技術検証してクライアントに届けるところまでやることもあります。
島本:プロダクト開発部門のエンジニアは、当たり前ですがプロダクトの開発や実装に集中しているのでマーケットのニーズのキャッチアップがしにくい環境。一方で、ビジネスサイドのメンバーは、ニーズはキャッチできるものの、プロダクトで実現できるかの技術的な判断が難しい。ビジネスサイドのスキルもあり、かつ技術もわかる人たちが、マーケット側が何を求めているかを見極め、それをどう実現するか判断しながら実現していくのがプレイドのカスタマーエンジニアだと思っています。
――具体的にカスタマーエンジニアが開発したソリューションの例はありますか。
仲野:僕はアパレル業界に主軸を置いていますが、最近流行の骨格診断コンテンツをKARTEでソリューションとして提供しようという話になり、自らコードを書いて提供しました。KARTEのアクションで骨格診断を実施し、ユーザーの骨格タイプに合わせたスタッフとマッチングするというソリューションなのですが、最初のきっかけは、ビジネスメンバーがクライアントとの会議の中で「KARTEでできないか」とアイデアベースの相談を受けたことでした。それを受け取り、まずは社内でスピーディに技術的なフィジビリティについて確認し、その後は自分が直接商談に出て、クライアントとビジネス要件・システム要件のすり合わせを行い、実装までを行いました。
一見、KARTEとは関係ないように見えるかもしれませんが、ソリューションを抽象化すると、エンドユーザーに関するデータの拡張であり、顧客が「この骨格の人にはこのアクションをとろう」と検討するための材料になります。一社だけでなく、アパレル業界で横展開できるソリューションになりましたね。
――かなりエンジニア寄りのことまでやっているのですね。
仲野:がっつりエンジニアですね。それでいて社外との商談にも出ますし、いろいろできるのがカスタマーエンジニアの魅力だと思っています。
島本:つくったソリューションは、PLAID Solution Blogというブログで発表するなど対外的にもアウトプットしています。例えば私は、「『配信数やクリック数に応じた接客サービスの自動停止』をCraft Counterで実装する」「Account Engagement(旧 Pardot)から取得したプロスペクト情報を KARTE にイベント送信する」などの記事を書いています。ちなみに個人的に最近サウナにハマっていて、ブログ記事の冒頭に最近訪問したサウナの情報を入れています(笑)。
仲野:ガチのサウナ好きですよね。僕は最近サーフィンにハマっています。やっぱりうまく波に乗れるときが楽しいですね。エンジニアと同じです(笑)。
ビジネスサイドからの転身、その苦労と乗り越え方
――ここまでの話を聞いて、技術的な知識や経験が必要そうなポジション・業務に聞こえます。お二人はビジネスポジションでの入社ですよね。なぜ、カスタマーエンジニアへ転身しようと思われたのでしょうか。
島本:実はプレイドに転職するときにも、いっそエンジニアになろうと考えたこともあるんですが、5年半の営業経験をリセットするには迷いもありました。せっかくなら、ビジネスサイドで積んできた経験を自分の強みとして活かしつつ、新たに技術も身に付けて、ビジネスと技術をつなぐ役割を担いたいと思い直して。仲野も言うようにエンジニアサイドとビジネスサイドが溶けているプレイドなら、それが実現できるんじゃないかと思ったんです。
――転職当初はセールスへの配属だったのですね。
島本:当時はオープンポジション採用だったのですが、まずはクライアントの課題を把握することが必要だと考えビジネスサイドのポジションを志望し、セールスに配属されました。1年間のセールスの経験を経た後は、カスタマーサクセスに移りました。
カスタマーサクセスでは、プロダクトを導入いただいた後の支援がメインになるので技術的なやり取りも増えましたね。クライアントの事業課題・経営課題を把握した上で、事業成長のためのデータ活用を支援するために、要件定義から入ることも多いです。そのため、クライアントのシステム構造を理解し、実現したいことに対して必要なデータの整理をしたり、プロダクトでの実現方法を考えて提案することも多かったです。
ただ、マルチプロダクトを提供するプレイドという環境だからこそ、クライアント企業やその担当者にプロダクトの価値を伝える難易度がどんどん上がっていると感じていて。一つ一つのプロダクトの価値は非常に高いのに、それをしっかり伝えきれないのはもったいないし、会社としてもそれができる組織が必要だろうと考えて、今いる「セールスエンジニア」という組織をつくってもらったのが2023年4月です。エンジニアリングをやりたい自分のWill、会社がそういう組織・役割を必要としているMust、自分がそこで何が貢献できるかというCan。この三つが一致しました。
仲野:僕はもともとエジソンに憧れがあり、彼のように自分で科学的な発明をしたいという想いがあったので、仕事の8割くらいをエンジニアリングにしたいという意志を持っていました。最初の1年間はビジネスサイドからソリューション開発をしていたんですが、結局、技術を正しくわかっていなければ「いつかどこでもドアをつくりたいです」と言っているのと同じ。それで当時のメンターに1on1で「もっと技術力を身に付けたい」と相談して異動させてもらいました。
――お二人とも技術のキャッチアップは大変ではなかったですか?
島本:いや、もうめちゃめちゃ大変でしたよ。もちろん、セールスやカスタマーサクセス時代も、HTMLやCSS、JavaScriptなどへの最低限の理解はありましたが、自分でコードを書くことはありませんでしたから。転職時は「いずれはエンジニアに」なんて想いもあったのに、日々の業務に追われて技術的なキャッチアップもできずじまい。ただ、我らのボスである池上が人材育成にものすごく意欲的だったので助けられました。
(島本・仲野のボスである池上がカスタマーエンジニアの魅力について語っている記事 : https://levtech.jp/media/article/interview/detail_53/ )
彼が言うには、「カスタマーエンジニアという業務や役割はある種の学習機会を広く与える場所としても機能する」そうです。たとえば人を他のチームから受け入れたり送り込んだりといった流動性も含めて、プレイドや社会に貢献する上で役に立つ技術知識や顧客ニーズなど、ある種の教養みたいなものを得ることや周囲に広げることにもつながると。これは彼自身の意志や言葉でもありますが、チームや働くメンバー、会社ともある程度同期されていると思います。横断的なキャリアづくりを前向きに捉えてくれて、期待と支援をしてくれている実感がありますね。
技術のキャッチアップにおいて、座学も重要ですが、実際に手を動かすことが最も効果的だと思います。ただし、単に動くものを実装するのではなく、自分で設計して実装したものに対して積極的にレビューを受けることを意識しました。社内を頼って、いろいろな人にレビューをしてもらうことで、自身の技術力向上に繋がったと思っています。
知識の習得は大変でしたし、今でも大変に感じることは多いですが、やっぱり自分でものをつくって動かして、クライアントがやりたいことを実現できるかを検証できるのはすごく楽しい。大変だけれど楽しい、と日々思いながら働いています。最近はChatGPTを壁打ちにして、ひたすらコードを書くようなこともしています。
仲野:僕も技術のキャッチアップは大変でした。学生時代の専攻はバイオテックで、コンピューターサイエンスとはかけ離れていましたから。島本と同じく社内を頼りましたね。僕は毎日オフィスに出社して、池上の隣に座り、ウェットなコミュニケーションをとらせてもらいました。そうすると、そのうち自分の強みやキャッチアップの方向性も見えてきて。
もう一つ、自分がキャッチアップで意識していることを挙げると、クライアント(マーケット)の立場に立つことです。クライアントはWebサービスやモバイルアプリを提供しているので、自らもWebやアプリの提供者、つまりKARTEを使う立場に立つ意識や経験を持つということです。課外活動的に、自らWebサービスを作るという過程で技術部分のキャッチアップを行っています。特にモバイルアプリはOSごとに開発環境が異なってくることもあり、自分で開発してみて初めて分かる躓きポイントにも気づけました。開発者側の視点でも解像度高くクライアントに話せることは、ビジネスサイドに活きる材料にもなります。
プレイドという社名はPLAY&AIDからの造語なんですけど、社内にAID(支援)してくれる人がたくさんいるんですよね。個人としての新しい大きな変化に対して、適切にAIDをしてくれる環境です。
――仲野さんは入社後1年間ビジネスサイドにいて、クライアントと接していましたが、その経験は活きていますか。
仲野:プロジェクトをマネジメントする力につながっていますね。スケジュールのハンドリングや論点の分解もある程度身につき、二つ返事で「やります」と言ってしまって、あとで困るようなこともありません。一方で、新たなソリューションを開発するにはパートナー企業の協力も必要ですが、興味を持って開発リソースを割いてもらうためのアピールや折衝能力はまだまだ経験不足。島本は営業経験が長く、そこは非常に長けているので、学ばせてもらっています。
島本:本当に!?(笑)。
仲野:この辺でいいエピソードも言っておこうかと(笑)。でも本当にそう思っています。
島本:確かに営業経験は活きていますね。とくに期待値調整はとても大事。できないことをできると言ってしまうと、最終的にものすごく印象を悪くしてしまう。要件を整理し、それに対して何をいつまでにできるかスケジュールを策定して実行する。同時に、万が一に備えたリスクヘッジもする。これはビジネスにおいて必須のスキルだと思います。単純に実現する方法を提案するだけでなく、「そもそも何がしたいんだっけ?」と掘り下げることも大事なのですが、ビジネスサイドに近い目線を持てるからこそ、引き出せることもあります。
――カスタマーエンジニアになってよかったこと、得られたスキルなどはありますか。
仲野:技術的なスキルは「確実」に上がりました。自分でコードも書くし、実際にKARTEを導入するプロダクトを開発してクライアント側のエンジニアの立場での技術検証などもできるようになりました。それから、世の中の課題への解像度がだいぶ上がりましたね。新卒でも初日からパートナー企業やクライアントとの商談に同席して手触り感のある仕事ができる環境はそうないと思います。僕が担当しているアパレル業界の課題は、KARTEが今まで貢献していたマーケティング領域だけでなく、在庫や店舗のオペレーションなどより経営に近い課題もあるので、できるだけKARTEに閉じない話をするように心がけています。
島本:ビジネスサイドにいたときは、クライアントに「こういうことができますか?」と聞かれたら、社内に確認して「できますよ」と回答するだけだったのが、今は可否の判断はもちろん、「過去の事例を発展させてこんなこともできそう」といったアイデアも浮かび、提案できる幅が広がりました。それによって相手の納得感も増していると思います。新しく得た技術の知識や感覚と、これまでのビジネスでの経験をうまくハイブリッドできつつあると思います。
カスタマーエンジニアの経験が新たなキャリアを切り拓く
――プレイドでカスタマーエンジニアをやる魅力ややりがいは何だと思いますか。
仲野:昨今、就活生の間でもProductManager(PdM)という役割がちょっとしたホットワードになっています。でも、技術の知識やスキルがないのにメガベンチャーや大企業のPdMになった場合、おそらくエンジニアやクライアントに「これ、できていますか?」と確認するだけのリマインダーや、エンジニアに細かい機能修正を頼む依頼人に陥りがちだと思ったりもします。もちろんカスタマーエンジニアもそういう動きをすることはありますが、ソリューション全体や事業のことを考えたり、実際に課題解決のために自分でコードを書いたりと、新しい事業や価値を生み出すときに必要な流れをすべて実体験できる。テックカンパニーにおいて新しい事業や価値をつくるときの全体像をつかめるのはカスタマーエンジニアという立場が最良と言っても過言じゃないと思っています。ビジネスサイドとエンジニアサイド、両方のキャリアをこれから積んでいきたい人には最高の環境です。やっているうちに「もっと開発をしたい」「プロダクトマネジメントの力を磨きたい」など方向性が定まれば、そこを尖らせにいくこともできますし。
島本:そもそもカスタマーエンジニアという役割や仕事が世の中にまだ少ないですが、その中でもプレイドのカスタマーエンジニアはマルチプロダクトを扱えるのが魅力。単一プロダクトと比べて提案できる幅が格段に広く、自分の引き出しがどんどん広がる実感があります。あとは、そもそも、私のような技術領域の知識や経験がないのにカスタマーエンジニアをやらせてもらえる会社は他にないかなと。もちろん、ただ待っているだけではダメで、向上心を持って、「こういうことをしたい」と意思表示をする必要はありますが、PLAY&AIDが体現できているこの環境は大きな魅力ですね。
仲野:それは間違いない。仕事の報酬は仕事といいますか、やってきた仕事に対して新しい仕事が期待値として与えられている感覚がありますね。
――今の話を聞くと、カスタマーエンジニアに必須の技術スキルはないのかもしれませんが、素養や姿勢という点で何かありますか?
仲野:技術的なスキルや経験は、僕自身ほぼなかったのでスタート時点では多分なくてもカバーできると思います。ソフト的なスキルでは、自分の中に閉じこもらず、頼るところでは頼ることが必要だと思います。徹底的に調べてもわからないなら、人に頼ったほうがいいです。
「好きこそものの上手なれ」という言葉がすごくフィットする会社ですね。技術やそのトレンドが好き、インターネットが好き、データが好き…。何でもいいですが、この会社に紐づく何かが好きという気持ちがあれば十分な気もしますね。
島本:ただ、体系的に学べる何かが完璧に整理・用意されているわけではないから、向上心や学習意欲は必須です。あと、カスタマーエンジニアだけで完結する仕事はほとんどないので、自分と違う立場の方と建設的に話して課題解決を前に進めるコミュニケーションスキルは必要ですね。
――お二人はカスタマーエンジニアとして、どんなキャリアや目標を描いていますか?
仲野:プレイドに入る前から抱いている「自分で手を動かして事業をつくりたい」という想いは変わっていません。それがこの先カスタマーエンジニアで実現できそうだと思えれば、ここで経験を積んでいくでしょうし、より事業に近いところにもチャレンジしたいと思ったら、そういう方向にシフトしていくかもしれません。
島本:コミュニケーションがとれる営業スキルとそれを実現できる技術スキルの両方を持つカスタマーエンジニアは市場でも希少価値が高いと思っています。その強みを活かして、顧客とプロダクトを繋ぐ役割を果たしながら、クライアントに提案できる幅や自分の力で実現できることをどんどん広げていきたいです。
あと、カスタマーエンジニアというキャリアの選択肢をプレイドの中や外に対しても広げていけるといいですね。プレイドの場合、ビジネスサイドで入社した人はセールスやカスタマーサクセスを経験し、専門性を高めていく人もいれば、PMMや新規事業開発へ携わるようになる人もいます。カスタマーエンジニアという選択肢をもっと当たり前にしていきたいと思っています。
プレイドはテックカンパニーなので、技術的なところに興味のあるビジネスサイドのメンバーも多いです。明確な将来像や現時点の経験や知識が足りなくても、まず経験を積む場としてくらいの意識でも挑戦してもらえる人を増やせたらいいと思いますね。カスタマーエンジニアを経験したことで、プロダクト開発を担うエンジニアになりたいと思う人も出てくるだろうし、逆にカスタマー寄りのほうが自分の得意領域が活かせることに気づけば再びビジネス領域に戻ってもいい。カスタマーエンジニアを経験することが、キャリアの選択肢を広げることにつながればいいなと思っています。
仲野:社内でビジネスサイドからカスタマーエンジニアになったのは、僕と島本が初めてで、いわばファーストペンギン。挑戦すればキャリアの可能性が広がることを身をもって示さなければ後が続かないと思うので、まずはここを一緒にやりきりたいですね。
――最後に読者へメッセージをお願いします。
仲野:僕は会社には働きにきているというより、毎日新しいことにチャレンジして「新しい自分」に変化しにきている感覚。自分の可能性が日々広がっている実感があります。そういうチャレンジをさせてもらえて、かつそれを援助してもらえるPLAY&AIDな環境は本当に魅力的です。少しでも気になる人にはぜひプレイドの、そしてカスタマーエンジニアの門を叩いてほしいですね。
島本:どんなにいいプロダクトをつくっても使われなかったら意味がありません。クライアントがプロダクトで生める価値を理解してくれてはじめてエンドユーザーまで届けられる。そのために、うまく価値が出るような情報や使い方、業務への組み込み方などの方法を顧客に届けられるカスタマーエンジニアという仕事は、それを自分の手を動かして実現できるポジションです。やりがいがあり、本当におもしろい仕事なので、興味や機会があればぜひ一緒に働きましょう。