会社の強い個性と法令の間でつくる、”プレイドらしい”労務への取り組み
プレイドでは、法務・労務・総務・人事などのコーポレートやバックオフィスと呼ばれることが多い部門・役割を、”事業を加速させるために必要なことを考えて実行する”という姿勢に重きを置く意味も込めて”アクセラレーター”と呼んでいます。
今回は、アクセラレーターメンバーの中から労務を担う藤下麻未に、現在の業務内容や、プレイドにおける労務の動き方や求められること、自身のキャリア観などについて話を聞きました。
300名規模の会社の労務を「壊して、作り替えていい」と言われたことが入社の決め手
――まずは簡単に自己紹介をお願いします。
プレイドで労務をしています藤下です。新卒では化粧品OEM企業に入り、約7年間労務・総務・採用アシスタントなどを経験する中で、労務の専門性を高めたいと思うようになり、2017年7月にメルカリに労務担当として転職しました。そこから5年ほど務め、2022年6月にプレイドに入社し、労務管理全般を担当しています。
労務を軸にキャリアを歩むことになったのは、新卒で入った会社の配属で管理部になったことです。働く中で労務環境の整備が非常に重要になったタイミングがあって、そこでいろいろと試行錯誤する中で労務をもっとやってみたいと思うようになりました。結果として、2社目以降は労務専任として転職し、キャリアを歩んでいます。
――プレイドに入社した経緯を教えてください。
前職では、私が入社した前後くらいから一気に人が増えたことによって、急いで労務管理体制を整備する必要が出てきました。労務としての業務内容は一般的な会社と変わりはないのですが、正直人の増加に合わせるのに必死でしたね。増員に合わせて労務としてやるべきこと、注力ポイントを変えていっていました。グループ会社も増え、社員数も労務メンバーも増えていく中で、労務の中での役割も細分化していくようになったのですが、私自身がもう少し幅広く全般を見られる環境で労務をやりたいという想いがあって、転職活動を始めました。
プレイドとの接点は、採用担当者からスカウトメールが届いたことがキッカケでした。社名は知っているくらいの理解度でカジュアル面談に臨み、その後トントン拍子で話が進んで入社に至っていました(笑)。振り返って理由を噛み砕くと、一番は先ほども触れた労務として広い守備範囲に取り組めそうな規模感と、大きな裁量を持って動けそうだったことが決め手でしたね。
私が入社したタイミングでプレイドの社員数はもうすぐ300名という規模でした。その規模でも”管理を意識させない管理”に挑戦しているというか、杓子定規に制度を導入・運用するのではなく、法令遵守を大前提に会社の組織風土などの間で良い落とし所を考えてきていることを感じられ、そこが強い魅力に感じました。当時の最終面談の相手は代表の倉橋で、「今あるものを壊して作り替えていい」と言われ、このフェーズで壊すことも選択肢として持てる環境はいいかもしれないと思ったことを覚えています。
限りある人・時間を活かして、周囲とどう連携するか。ルールが少ない会社で、ルールをつくる立場の動き方
――現状の労務の体制や、藤下さんが担っている役割について教えてください。
現在の労務機能を担う体制としては、私を含む正社員2名にアシスタントとして働く3名を加えた5名を中心に、さらに外部からパートナー企業や社労士の方にも協力いただきながら労務業務を担当しています。もう1名の社員がチームのマネージャーで、私の入社前に労務を担っていた人で、他にも総務なども兼ねつつという役割の方です。日常の労務業務の8-9割くらいは、私がアシスタントの皆さんや外部の皆さんに協力いただきながら担い、マネージャーとは日々の相談・壁打ちをしつつ、重要な案件の意思決定を必要に応じて連携する形で業務を進めています。
取り扱う内容としては、給与計算や保険の手続き、社内規則の整備など、社員の労働に関するありとあらゆることを担当しています。定型業務や対応する方針・内容が固められている部分は周囲の方にお任せしつつ、何か判断や確認が必要な案件は、基本的に全て私が関与しています。正直アナログに回している運用もあるので、関与する人の数や工数を削れる部分の効率化も適宜進めています。現状だとまだまだオペレーティブな部分の業務の割合が多いですが、今後人も増やすことも念頭に、労務オペレーションの構築・改善に加えて労務企画的な部分にもバランスを移していきたいと思っています。
やるべきことややりたいことに対してリソースが潤沢とは言えない状況なので、優先順位をしっかりつけて、メリハリをつけて動くことを意識しています。ここまでの話も含めて、忙殺されているイメージを持たれるかもしれませんが、私自身は労務が一番忙しい年末調整の時期でも、残業は月10時間くらいでした。大体は10時から19時の規定時間を中心に働くことが多く、フレックス制度も利用して、個人の予定や体調などに合わせてメリハリをつけて働けていると思います。
ここ数年、プレイドに入社する方も多かったのですが、実際に業務が増加した部分は、アシスタントや外部パートナーを増やすことで対応してきています。あとは、先に見えている大きな案件がある際は、事前に関係各所と計画を連携しておくことでピークをコントロールするように心がけています。
――マネージャーやアシスタントの皆さん、周囲の方々との関わり方について、もう少し詳しく聞けますか?
基本的には自分で考えて決める裁量があって、迷うことがあれば適宜マネージャーとも相談しながら進めるという感じです。これはプレイド全体的に言えると思いますが、対マネージャーだからといって上下の意識は強くなく、フラットなやり取りをしています。マネージャーに相談するかどうかは、私の自信の有無で判断していて、基本的には私の判断に任せてもらえているし、困ったときには助けてくれています。
正社員もアシスタントも含めてみんな和やかな雰囲気で、ランチに一緒に行くこともあります。アシスタントさんは、長い方だと約3年半プレイドに勤めていて、あとの2名は労務業務が拡大した2022年以降の入社で、私を含めて適宜分担しながら頼るところを頼りながら業務を進めています。
他の組織や役割との業務上の関わりだと、同じアクセラレーター組織の経理や法務のメンバーと協業することが多いです。経理や法務をはじめ、アクセラレーターのメンバーは忙しいことや期限が厳格に決まったプロジェクトに向き合うことも多いので、察知できることは早めに伝えて認識しておいてもらうことを特に気をつけています。ただ、どんなに忙しい状況で突発的な案件が発生したとしても、こちらの事情を汲み取りつつ、一緒に課題に向き合ってくれます。専門性や胆力がある人が多いので、近くにいて本当に頼りになる、尊敬できる人が多い環境だと思っています。
――基本的な対応範囲が定まっていることが多いとは思いますが、”プレイドらしい労務”という例はありますか?
労務は基本的に、どの会社でも取り組むことはそう大きくは変わらないものだと思います。ただ、どう運用に落とし込むかは会社ごとに異なるし、会社が大切にしていることが強く表れる部分にも成り得ると思っています。
顕著にわかりやすい例を挙げると、「PLAY-AID休暇」という有給休暇制度があります。通常の年次有給休暇も付与していますが、それを上回って休暇を取ることが発想の余白や切り替えにつながり、パフォーマンスを出すことに集中できるのであれば、期間・日数を問わずに有給休暇を取得できるというものです。これを初めて聞いたとき、プレイドがどういう環境を作りたいと思っているのか、会社として大切にしている部分を一端ですが認識できた印象がありました。
入社してから感じたプレイドらしさとしては、ルールが少ないことですね。前職も性善説を元にルールは少ない会社でしたが、プレイドはそれ以上でした。もちろん、まだ成長過程段階で作りきれていないという背景もありますが、不必要にルールを設けないことや細かく規定しすぎないことは、経営陣の口からもこの会社のスタイルとして話を聞くことが多いです。
ただ、ルールをつくる側として、この会社の自由を重んじるスタイルに葛藤することも正直多いです(笑)。これは、同じようにプレイドの中でルールをつくる人は工夫と苦労をしているところだと思いますが、決まりが定められることによる正しい拘束力と、それによる社員の負担や大切にすべき自由度への影響、このバランスをいかに適正化するかは非常に難しいですね。他社だと一般的なルールでも、そのままプレイドに持ち込めないというケースもありますし、これまでの経験や自分の中の常識だったことも疑いつつ、特に大きな決定の際は常にいろいろな観点を比べながら頭を悩ませています。
個人としても組織としても、幅広く自走できる労務であり続けるために
――労務としてのキャリアを考えて、プレイドで働くことで得られることは何でしょうか?併せて、今後加わってほしい人のイメージを教えてください。
得られることとしては、私がプレイドを選んだ理由でもありますが、労務業務全般を経験できること。従業員規模が大きい会社ではどうしても縦割りになりがちですが、今後我々の会社が成長する中でもできる限り関与する範囲が狭くなり過ぎない、固まり過ぎないやり方を労務組織として追求していければと思っています。これは、この点に共感できる方に今後入ってきてほしいという希望も込めてですね。
一般的な運用をベースに置きながら、強い個性を持った会社・メンバーたちに向けたプレイドらしい労務管理・運用を考えられることも、この環境の良いところだと思っています。「それはできません」ではなくて、「どうやったらできるのか考えていく」というスタンスで臨める人が向いていると思います。変化も苦労することも多いですが、そこに抵抗を感じずむしろ楽しめるようなマインドを持って一緒に働ける方が増えると頼もしいなと。
直近では、労務業務が3年以上あってオペレーションやプロセスの改善経験があるような方が加わると嬉しいですね。イメージとしては私と肩を並べて、同じような立ち位置で周囲の方々と連携しながら、労務の役割を果たせるような方を求めています。限られた人数や時間の中で働くということはある程度前提だと思うので、そういう環境で上手にパフォーマンスを上げることを前向きに考えられることも大切だと思います。特に給与周りの経験が多い方だと嬉しいですが、労務全般の知見や興味がある労務ジェネラリストのような方も歓迎です。
中長期的には、経験を必須としないポテンシャル採用のような組織の拡大にも取り組んでいきたいと思っています。労務業務としては一通り触れたことがあって、専門性はこれからという方だったり、広く人事領域のどこかに携わってきて、より専門的に労務をやってみたいという方だったりを受け入れて共に成長できるような、懐の広い組織にしていきたいです。
いずれにしても、プレイドで働く中で、自主的に課題を見つけて取り組める”自走力”は必要だと思います。わからないことがあったとしても、同僚や社労士に意見を募ったり、壁打ちをしながら仮説を自分で立てて検証を進めていくことを楽しめることは重要です。近い観点ですが、自分で自分の機嫌を取れるというか、業務のメリハリをつけるような部分も含めて、自己コントロール力の高い人の方が活躍しやすいかなと思います。
――最後に、藤下さんが考える労務の組織としての目標と、個人としての目標を聞かせてもらえますか?
組織としては、シンプルにオペレーションのミスを徹底的になくし、迅速に行う体制を強化し、業務を遂行し続ける安定性を高めることが何より大切だと思っています。特徴として、プレイドらしさや変化への対応などに言及しましたが、労務は会社の基盤や守りの要であることは大前提です。質の高い労務オペレーションの構築をすることで、会社や事業が成長するために全てのメンバーが健全に働ける環境を維持すること、効率的な管理による生産性の向上や、コンプライアンス順守によるリスクマネジメントの実現などに取り組んでいきたいと考えています。
個人の目標としては、まず短期的なものとして、労務オペレーションの負荷を適正化し、持続可能なフローの構築に取り組んでいます。今期中に進めたい改善点がはっきりしてきたので、日々の業務の中で時間をつくって取り組んでいきたいです。
中長期的には概念的な目標になるのですが、小石をどける・背中を押すような存在でありたいというか、事業をともに推進する力でありたいと思っています。メンバーが安心して仕事ができる環境かどうかは重要なので、私たち労務がいるから信頼して任せられる、安心感を与えられるような環境をつくっていくことを常に意識していきたいですね。
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