企業連合の実験的な採用プロジェクト「issue club」をプレイドがはじめた理由
「強い人材を採用したい」
その想いで2019年12月にプレイドのissue採用を開始しました。あれから約1年と2ヶ月。そのissue採用をupdateした実験的な採用プロジェクト「issue club」を開始します。
このnoteでは、issue採用のプロジェクトからissue clubを開催するに至った背景とその想いを紹介したいと思います。
今こそ、非線形な成長を牽引できる強い人材が必要
プレイドは2020年12月にマザーズに上場しました。
上場もしくは、それに類するような規模感の会社がもつ共通の課題は、非線形な成長を牽引する意思と視座と能力をもった人材の不足です。
多くの企業が上場は通過点に過ぎないと考えているはずで、掲げているミッション・ビジョンを形にするためには果てしなく長い道のりを歩む事が必要です。
その長い道のりを線形にではなく、非線形に角度を変えて成長を進めるために、強い人が不可欠であり、この仲間を増やすための方法論としてissue clubは発案されました。
強い人材は何を求めているのか?
このプロジェクトのはじまりは、改めて自分たちが求める強い人材の再確認からスタートしました。
議論を重ねることで、プレイドの事業の変化の多さ、早さ、幅の広さなど踏まえ、特定領域に固執している方よりは、柔軟性が高く、学習能力の高さをもったポテンシャルの高い人材の方がよりマッチすることがわかってきました。
次に、この人材が求めるインサイトをアウトプットしました。そこで見えてきたのは、以下の6つの要素です。(資料A、B参照)
1. 成長:伸びしろのある領域
2. 裁量:責任、役割、意思決定サイズ、スピードの早さ
3. 挑戦の質:新しく、難しく、意義のあること
4. 挑戦の幅:ドメインとしての幅の広さ
5. 人材の質:結果をだすための強い仲間
6. 文化:挑戦・実行を妨げない、後押しする風土
その上で、この要素に対して「プレイドは選ばれるだけの存在なのか?」と自己評価を行いました。
当然バイアスはありますが、挑戦の質と幅という側面においては十分に選ばれるだけの材料を保有していることも確認できました。(資料C参照)
ターゲットとインサイトの整理、メッセージの整理が終わり「戦う準備」が終わった上で、我々がぶつかった課題は「この強い人材が(市場に)見当たらない」ことです。
武器はできたが、戦う相手がいない。そんな状況です。
(補足:転職媒体などに登録している顕在層は非常に希少であり、厳しい競争環境にあります。一方で潜在市場には多くの優秀な候補者が存在すると認識しており、その状態を指しています)
↑社内資料A:ターゲットインサイト↑
↑社内資料B:ターゲットの企業選択における6つの判断要素↑
↑社内資料C:求められる要素に対するプレイドのアセット↑
ここで、issue採用を振り返ってみます
2019年12月に実施したissue採用は、これまでに書いたような強い人材を採用するための取り組みとしてスタートしました。
しかし今のプレイドでは、この施策だけで「強い人材を継続的に採用し続けること」は難しいと判断しました。(資料D参照)
issue採用の成功の一つは、通常の採用ルートでは絶対に会えない候補者の方が強い熱量をもってエントリーいただけたことです。
その代表例がissue採用を経由して入社した東京藝大出身の建築家である宮下さんです。
建築のバックグラウンドもあり、自身が興味と熱量をもっていた「issue採用04|OMOのベストプラクティス開発に挑戦する」にエントリーをしていただき、いま社内でも非常に活躍しています。
これが単なる「企画職」などの応募では絶対に彼にリーチすることもなかったし、興味をもってもらうこともできなかったはずです。
この結果からも職種単位ではなく「解きたい課題単位で応募する」ことの取り組み自体の価値は確認することができました。
一方で、直接応募してくる数は限定的でした。それは以下の3つの理由が考えられます。
1. 高い転職意欲:そもそも高い転職意欲が無いと自己応募の行動はとらない
2. 高い熱量:掲載されたissueに対し、自身の興味と合致する必要がある
3. 高いハードル:スカウトが主流の中、自己応募という逃げ場がない仕組み
そこでこの課題を解決するために、職種単位ではなくissue単位で仕事を探す価値を活かしつつ、候補者のハードルを下げる取り組みを模索しはじめました。
↑社内資料D:issue採用の振り返りと対策↑
強い人を引きつけるのは魅力的なissueの集合体
「強い人材が見当たらない」
この課題は簡単に解決することはできないと考えています。強い人材は現職でも活躍をしていることが多く、顕在市場にでてくることは稀です。
そこで強い人と出会うためには、現れるのを待つのではなく、引きつけることが必要であり、その引きつけるための武器が「挑戦の質と幅」=「issue」になるはずです。
特に魅力的なissueだけが揃っている場があれば、強い人材を引きつけることができるのではという仮説に至りました。
しかし、プレイド1社だけのissueでは、その候補者を引きつける材料としては力不足です。そこで、プレイドだけではなく、非常に魅力的なissueを持った企業連合で挑戦的なissueを紹介する取り組みとして進化したのが「issue club」です。
そんなissue clubの特長はこの3つに集約されます。
1. 厳選:セレクトショップのように厳選した企業の厳選issueを掲載
2. スカウト:自己応募ではなくキャリア登録を行い、スカウトを待つ
3. 期間限定:シーズン単位で旬なissueをUpdateする
それぞれの特長について解説します。
厳選した16社が参画
今回プレイドから個別にお声がけをして、こちらの16社にご参画いただきました。企業の参画条件として内々に以下の基準を設けており、いずれかに該当することを条件としました。
・ 成長企業である(伸びてる市場、勝てる会社)
・ 他にはない独自かつ挑戦的なチャレンジを有している
・ 透明・学習・柔軟な文化を有する
・ 業界でもトップクラスのメンバーが集まっている
企業の規模の幅、事業ドメインの幅、担当者(事業サイドの方からエンジニアの方まで)の幅からも、きっとユニークで挑戦的なissueが出揃うことになると思います。
<参加企業一覧>
株式会社メルカリ、クックパッド株式会社、株式会社ディー・エヌ・エー、株式会社エクサウィザーズ、株式会社マネーフォワード、株式会社ABEJA、合同会社DMM.com、株式会社メドレー、スマートニュース株式会社、株式会社newn、株式会社ビズリーチ、株式会社SmartHR、株式会社三菱UFJ銀行、LINE株式会社、株式会社ユーザベース、株式会社プレイド(順不同)
自己応募ではなく、スカウト型に
issue採用での自己応募の課題を踏まえて、候補者の方にはキャリア登録のみをお願いし、スカウトをお待ちいただく形式に変更します。
ご自身の経歴、アウトプットなどをご登録いただくだけで、登録した連絡先に参加企業から直接スカウトがもらうことができます。
もちろんキャリア情報はいつでも編集できるので、まずは必須情報だけ入力して、時間のある時に追加で情報を入力できます。
また、転職意欲ゼロでの参加ももちろん問題ありません、ご自身の市場価値を測るための登録も大歓迎です。
シーズン単位で開催することで、旬なissueを揃える
issue clubは期間限定の開催です。第1回目となる今回は3月15日の公開で、5月15日に終了となります。
今回が実験的な取り組みのため第2回の開催は約束されていませんが、もし実施する場合も半年程度先を想定します。
その期間限定であることや半年単位の開催の背景としては、より品質の高いissueだけを揃えることを価値としているためです。
issueの中には、時間軸で変化するものもあり、期間的な限定性があります(もちろん長期間向き合い続けるissueもあります)。また厳選されたissue自体を短期間で集め続けることの現実的な負担もあります。
一方で、期間と開催頻度が限定的であることで、候補者と参加企業両面への高く動機づけすることもできます。
概念的には、ファッション業界のS/SとA/Wのコレクションのように、シーズン単位でその時に旬で魅力的なissueを揃えることで、世界中から多くの人があつまる、そのような場でありたいと思っています。
nocodeによるプロトタイプで実験
今回はあくまでも実験的な取り組みです。そのため受け皿としても最低限の品質を保持した上で、コストをかけずに実行するため複数のnocodeサービスとGASを利用して開発しています。
- LPはSTUDIO
- issue掲載ページはnotion+Super(予定)
- キャリア登録はGoogleform+GAS+Zapier
キャリア登録はユーザー個別のID機能をつくらずにとも「後でキャリア情報を編集できる」方法として自社独自のフローを設計しました。
おもしろいissueと挑戦したい人が集まるコミュニティに
実は今回のこのアイデア名前が最初に思いつきました。
質の高い音楽との偶発的な出会い。
そこに集まった人同士の偶発的な出会い。
そんな出会をもとめてフラッと気軽にあつまったら声をかけられる。
そんなclubのような場をissueを介して実現したい、そこからissue clubという名前を思いつきました。
(全くClubhouseに影響されたわけではないのに、まるでClubhouseと同じようなメッセージを語ることの恥ずかしさを抱えつつも書いてます笑)
このプロジェクトのはじまりはプレイドとしての採用にあります。
ただ、その裏側にあるのは「みんな楽しく情熱的に働こう」そんな想いです。
挑戦的なissueが並び、自分のやりたいものが見つかり、チャレンジする。
そんな人間としての根源的な欲求を満たす場にしたいと考えています。
例えるなら、技術コミュニティのような特定のテーマで人が学びを共有し、成長を刺激する存在が近いかもしれません。実際にissue clubは非営利で運営されており、第1回目については参加企業から費用をいただいてません。
特定の誰かの利益に資するのではなく、社会全体の利益に資する取り組みへと発展することを願っています。
プロダクト志向のEngineerとProduct Managerを対象とした第1回目の事前エントリーを開始していますので、ご登録お待ちしてます。
また参加希望の企業の方はこちらからご連絡ください
野崎耕司(TRACK RECORDS |PLAID Part Time)
PR会社ビルコム取締役を経てディー・エヌ・エー入社。MERY雑誌立ち上げなどのコンテンツ領域の責任者を経て、ディー・エヌ・エー本社の社内外の副業制度設計や人事プロジェクト「フルスイング」を立ち上げ。2018年にTRACK RECORDSを立ち上げ。プレイド、モノタロウ、stand.fmなどの採用領域の支援事業、Slackアプリ「Colla」などを運営。ちなみに、ファーストキャリアはClub社員(DJがいる踊る方のやつ)です。
Staff Credit
Produce:koji nozaki(TRACK RECORDS)
Produce:daigo isamatsu(PLAID)
Notion Design:miggy(PLAID)
LP Design:kiccy(PLAID)
Communication:yukiyo sakurai(PLAID)
Communication:takehiko kawakubo(PLAID)
Speacial Thanks
sase james koki(PLAID)
jumpei ikegami(PLAID)
kouske sawai(PLAID)
takanori koga(PLAID)
takuya kaneda(PLAID)
kaori jo(PLAID)
racchi(PLAID)