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1,700人の“仲間”とKARTEを創っていく。プレイドが実践するコミュニティマーケティングにおける6つの工夫

みなさん、こんにちは。KARTEというCX(顧客体験)プラットフォームを提供する株式会社プレイドで「KARTE Friends Community」を運営する、ヒラリーこと平岡志織です。

2017年8月にプレイドに入社し、約2年半。営業職を経て、2019年4月に新設されたコミュニティチームのリーダーに任命され、右も左も分からない中、チームメンバーのアンドレこと安藤と共に、コミュニティを盛り上げるためのトライを重ねてきました。

2017年から不定期で始まったオフラインのミートアップには、これまで累計で約1,700名を超える「KARTE Friends」にご参加いただいています。今年だけでも500名を超える方が足を運んでくれました。

最近はありがたいことに、「コミュニティマーケティング」をテーマにしたイベントへ登壇する機会も増えつつあります。

CMC_Meetup Vol.12「コミュニティマーケティングのおさらい」BtoB企業におけるコミュニティタッチ ~オンラインオフライン横断でのコミュニティ形成

コミュニティ活動の本格化から約8ヶ月。まだ手探りな部分もありますが、これまでの実践からは数多くの学びがありました。そこで今回は、KARTE Friends Communityの歩みを振り返り、プレイドが実践するコミュニティ運営の工夫をいくつか紹介したいと思います。

オープンで、フラットな場「KARTE Friends Community」

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KARTE Friends Communityは、KARTEを利用する方々が集まるコミュニティです。「友達のようにオープンで、フラットな関係を築きたい」——そんな願いを込めて、参加者のみなさんを「ユーザー」ではなく「KARTE Friends(カルテフレンズ)」と呼んでいます。

現在は、東京を中心に月に1〜2回のペースでオフラインのイベントを開催。KARTE FriendsによるKARTE活用事例の紹介やグループワーク、懇親会を通じて交流を深めています。

イベントに参加してくださったKARTE Friendsには、今夏から始めたオンラインのコミュニティも案内しています。ここでは、次回以降のイベントを告知したり、私と安藤が一日の出来事を報告したり、次のイベントに参加するプレイド社員を隔週で紹介。

オフラインでは控えめでも、オンラインでは活発にコミュニケーションを取り合うKARTE Friendsもおり、好みに応じてオンラインとオフラインの両方を活用してもらっています。過去には、「出身地が同じ」という理由から、オンラインで紹介した社員とKARTE Friendsの会話が盛り上がる場面もありました。

プレイドが実践するコミュニティ運営における6つの工夫

今でこそ、多くの方に参加いただいてるKARTE Friends Communityですが、チーム発足時は分からないことだらけ。それでも、本格的に活動を始めてから1年ほど、初心者なりに様々なトライを重ねてきました。

ここからは、その中でも「コミュニティ活性化に効果があった!」と感じた6つの工夫を紹介します。

1. コミュニティを「7P」で再定義する

継続的にコミュニティマーケティングに取り組むためには、目的や意義をしっかりと定義しておくのが重要です。実際、KARTE Friends Communityを立ち上げて最初に行ったのが、コミュニティの再定義でした。

私たちがコミュニティの定義に用いたのが、コミュニティマネージャーが集まる世界的カンファレンス「CMX Summit」で提唱された「7P」というフレームワーク。「7P」には参加メンバー(People)や存在意義(Purpose)、活動場所(Place)といった項目があります。

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私たちは、7Pをそれぞれ「コミュニティ参加者であるKARTE Friends側」と「コミュニティ運営者であるプレイド側」の2軸から考えました。

例えば、KARTE Friendsにとってのコミュニティの存在意義は、同じ悩みや目標を抱えた仲間と出会える場であり、良いCXを目指すために共に学びあえること。プレイドにとっては、社員がお客様から直接意見をもらえる機会が増えること、サービスの差別化につながることが挙げられます。

最初に「7P」を設定すれば、施策を考えるときにもブレが生じにくい。今でも原点に立ち返りたいときは、定期的に見返すようにしています。

2. イベント回数を増やしてPDCAを高速化

以前のイベント開催ペースは2〜3ヶ月に1回でしたが、イベントごとに1ヶ月以上も間が空くようでは、PDCAを回すスピードが大幅に遅れてしまいます。開催ペースを上げればPDCAを高速化でき、反省をすぐに次へ活かせる。早くナレッジを貯めるため、可能な限りイベントの回数を増やしました。

慣れないうちは大変でしたが、結果的に私たちもイベント運営のイロハを覚えられ、イベント内容の改善にも繋がり、お客様の間でも「KARTEは定期的にイベントを開催している」とコミュニティの認知を拡大できました。

3. 「レベル」ではなく、「業種」や「機能」からテーマを設定する

定期的にイベントを開催するとなると、「イベントの切り口」にも工夫が必要になってきます。回数の増加に伴い、通常のイベントだけでなく、テーマ特化型のイベントを開催するようになりました。

切り口について、最初は「初心者向け」や「上級者向け」などレベル別のイベントも候補に上げましたが、個人の感覚で「初心者」か「上級者」を区別するのは難しい。活用度の「レベル」ではなく、「業種」や「職種」、あるいはKARTEの「機能」軸から考えるほうが分かりやすいと思い、「分科会」という形式でイベントを開いています。

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KARTEの「Datahub(データハブ)」という機能を使っている、もしくは検討している方だけが集まる「KARTE Datahub Night」や、会社内でKARTEをカスタマイズして使っているエンジニアやデザイナーが集まる「KARTE Hackers」などがその一例です。

どちらもニッチなテーマではありますが、抱えている課題や共感する点が似ているのでイベントの熱量や濃度も高いと感じています。自分の興味や業務範囲に応じて参加するか否かを判断しやすいのもポイントです。

4. 「ナイストライ」を合言葉に、登壇のハードルを下げる

イベントを開催するにあたって難しいことのひとつが、「登壇者を見つけること」です。私達も、コミュニティの立ち上げ初期は苦労しました。候補者のリストもなく、声をかけても「話せるような立派な事例がない」と断られる。

なぜ断られるのか? その理由を考えたときに、登壇のハードルが高いのかもしれないと予想しました。KARTEを上手く活用している会社だけが登壇できる——そんな思い込みがあるのではないだろうかと。

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そこで、登壇者の事例を「成功」と言わないことを徹底しました。ミートアップで紹介するのは「成功」の事例ではなく、「ナイストライ」の事例。登壇を依頼するときも「KARTEで上手くいった事例だけではなく、KARTEでどう頑張ったのか、どう苦労したのか。そういった話をしてほしいです」と伝えるようにしています。

結果、以前よりも登壇してくださる方は増えました。イベントで失敗事例も共有されるようになってからは、コミュニティ全体で「成功するためには、小さくてもいいからトライし続けることが大切なんだ」という意識が根付いてきたように思います。

5. コミュニティ参加者の受け身姿勢からの脱却

受け身な姿勢でコミュニティに参加する人が多くて困っているという声を、まわりのコミュニティ運営者からよく聞きます。KARTE Frineds Communityも「教える」「教えられる」のような師弟関係ではなく、みんなが共に学び合うフラットな関係を目指しているので、「いかに能動的に関わってもらうか」は課題でした。

実際、当初のイベント終了後のアンケートでは「もっと事例が聞きたかった」といった感想がよく寄せられました。これは「ミートアップに行けば、何かを教えてもらえる」という受け身な姿勢の表れです。能動的に学び合えるKARTE Friendsを増やすため、以下のような取り組みを実践しました。

・ミートアップの構成を見直す
登壇者によるセッションのあとにグループワークを取り入れ、KARTE Friends同士で自然にアウトプットできる場を用意しています。

・イベント冒頭で「どのようなスタンスで参加してほしいか」を伝える
イベントの冒頭では、「お互いの悩みや学びを話してみてくださいね」と参加のスタンスを共有。

・アンケート項目を能動的な学び&実践につながる内容に
イベント参加後のアンケートは、「どうでしたか?」という聞き方から、「どんな学びがありましたか?」「それを自社に活かしたいですか?」と能動的に学ぶ姿勢がある前提での質問に切り替えました。

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今では「もっと事例が聞きたかった」という声は大幅に減少。リピーターのみなさんがグループワークのときに自らファシリテーションをするなど、積極的な姿勢をお手本のように見せてくれています。

6. コミュニティの活動を可視化して、社内メンバーを巻き込む

少人数のチームでコミュニティを運営していると、すぐにリソースや施策アイデアの不足という壁にぶつかります。コミュニティマネージャーの限界をコミュニティの限界にしないためには、社内の協力が不可欠です。周りに力を貸してもらうためにも、私たちがどんなコミュニティを目指しているのか、どんな方向性で進めているのかといった前提は定期的に共有しています。

全社のミーティングで進捗や悩みを伝えるのはもちろん、社内のチャットツールで週報的に「イチオシFriends」の紹介をスタート。それを見た社員がミートアップに参加し、紹介したFrinedsを見かけると「あ!紹介されていたXXさんだ!」と話が弾むように。

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今年の4月からミートアップでは、「プレイドのお知らせ」としてプレイドのエンジニアやデザイナーが、KARTEの新機能やアップデートを紹介する時間を設けています。単なる説明だけでなく、その背景にある課題や目的を直接共有することでKARTE Friendsの皆さんもより納得してくれたり、実際に使った上で「ここは、もっとこうしたほうがいいんじゃないか」とフィードバックをくれることも。

その評判が少しずつ他のメンバーへと伝播し、今では「今度のミートアップで、UI変更について紹介させてほしい」と社員から提案してくれる機会も増えました。代表の倉橋も、空いた時間を見つけては積極的に会場設営などを手伝ってくれています。

トライする中で見えた、コミュニティに投資する3つの価値

私は以前まで、既存のアップセルなど売上に直結する部分を担当していました。そこから「コミュニティ」へと移ったら、その分売上を減らす結果になりかねません。コミュニティマネージャーを2人も置いて、コミュニティづくりに本腰を入れ始めたのは、会社としても“大きな決断”でした。

最初は不安と焦りもありましたが、施策を重ねるうちにコミュニティ運営も楽しくなり、私たちがコミュニティをやる価値も少しずつ見えてきました。なぜプレイドがコミュニティに力を入れるのか? ここでは、その話をさせてください。

理由は大きく分けて3つあります。

1つ目は、他社との差別化につながる点。プロダクトの魅力こそが一番の差別化要素ではありますが、コミュニティも「競合ツールにはない魅力」になり得ます。「最良のCXを目指す」という目標のもとに集まったコミュニティを醸成することが使ってくださる方にとっての価値となり、最終的にKARTEを選んでいただける理由になると信じています。

2つ目は、KARTE Friends同士でサービスへの理解度を深め合える点。ミートアップでは、KARTE FriendsがKARTEの具体的な機能の使い方や施策、効果などを紹介するセッションを設けています。新しい機能やアップデートに関してはプレイド社員からもお知らせしますが、同じ悩みを抱えている仲間から活用事例を聞くほうが親近感も湧き、理解度が深まる。KARTE Friends 同士でツールについて学び、CXへの感度を高めているように感じます。

最後は、KARTE Friendsと社員のふれ合いを増やせる点。「KARTEからのお知らせ」のコーナーに登壇したエンジニアやデザイナーの中には、「お客様から直接フィードバックをもらえたぞ!」と嬉しそうに話す社員もいます。普段はお客様と話す機会の少ない社員にとって、自分たちのアウトプットに対して様々な意見をもらえるのは、それだけで大きな価値になっているようです。

人軸から企業軸への広がり、そして「共創」の関係へ

コミュニティの立ち上げから約8ヶ月。様々なトライを重ねるにつれて改善した部分もありますが、まだまだ課題も残ります。例えば、コミュニティは人対人のつながりになりやすいですが、部署異動などで相手の担当者が変わってしまえば、その企業との関係値は一気に薄くなってしまう。私たちのようなBtoBの企業がコミュニティを運営する場合は、つながりの対象を「人」から「企業」へと広げていく必要があると感じています。

そのためにも、まずはKARTE Friendsが「KARTEのコミュニティは良い!」と社内で広めたくなるような新しい切り口のイベントを増やしたい。例えば、同じ時期にKARTEを使い始めた方で集まって「同窓会」のようなミートアップを開催したり、全国のKARTE Friendsが参加できるようにオンラインでミートアップを開くのも面白そうです。

今後は、KARTE Friendsのオフィスを会場として借りることも検討しています。場所を変えればイベントの雰囲気もガラッと変わるだろうし、相手企業の社員さんにも「何をやっているのだろう?」と興味を持ってもらえるチャンスにもつながります。

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また、KARTE Friends Communityの軸である「オープンで、フラットな関係性」を守りつつ新たなトライを重ね、よりコミュニティを盛り上げていきたいです。理想は、KARTE Friendsと“共創関係”になること。「より良いCXを目指す」という点ではすでに仲間だと思っていますし、欲を言えばプレイドの一員になったつもりで、一緒にKARTEを磨き込んでもらいたい。

今は、私たちが主体となってイベントを運営していますが、今後はKARTE Frinedsに司会や乾杯の合図をしてもらうのも面白いかもしれません。全員がお互いに刺激し合い、「より良いCXを作る」ために切磋琢磨できるコミュニティを目指していきたいです。