“可視化“がすべての始まり。マーケとインサイドセールスが1つになった話
BtoBマーケを担当する皆さん、インサイドセールスのチームとのコミュニケーションに悩んだことはありませんか?
コミュニケーションが不足していたり議論が空中戦になってしまうと、リード獲得を担当するマーケティングチームと、その次のファネルを担当するインサイドセールスチームで「良いリード」をめぐって軋轢が起こることも少なくないと聞きます。
今回のnoteは、プレイドのマーケティンググループでインバウンドを担当する所澤と、セールスグループでインサイドセールスを担う福原が、マーケとセールスという組織をまたいで1チームで目標達成に臨むプロセスを、対談形式でお届けします。
FY23最重要課題。インバウンドをどうする?
- まず初めに、お二人の業務内容について教えてください。
所澤:私は、新規顧客マーケティンググループ/インバウンド&リードライフサイクルチームに所属しています。チームメンバーは私を含めて5名で、広告や自然検索からの集客を強化し、サイトの改善、ホワイトペーパーの作成、成果を可視化するためのモニタリング環境の構築やデータ整備を行っています。
福原:私はインサイドセールス(以下IS)チームでマネージャーをしています。インバウンド(問い合わせ経由)での商談数、セールスのパイプラインの総量、受注率をKPIとして活動しています。また、見込み顧客と最初に接点を持って会話をするのが僕らのチームなので、一次情報を蓄積して社内に流通させるところもミッションとしています。
- チームが立ち上がってからちょうど1年とのことですが、当時課題として捉えていたことを両チームの視点から教えてください。
福原:2022年7月当時、FY23を見据えて課題として上がっていたのは、KARTEの受注構成比の偏りでした。KARTEは創業当時からずっと、お客様や社員からの紹介で契約に至る「リファラル」の割合が高い状況でした。ご紹介が多いことはとてもありがたいことではあるのですが、今後の事業成長を考えるとこちら側でスピーディーに改善活動を回していくことができるインバウンドのチャネルを育てることが必須でした。
所澤:同様の課題感ですが、マーケティングの観点からは大きく2つの課題がありました。
1つ目は、インバウンドを改善しようにも、足がかりとなる数値が曖昧だったこと。
その当時はマーケとISとの連携も今ほどスムーズではなく、MQLの定義や商談設定の基準も人によってバラバラなところが多かったんです。その状態では、どのレバーを引けば改善ができるのか判断することが難しい状態でした。
2つ目は、市場とプロダクトの変化です。
2021年にはサイト改善のKARTE Blocksがローンチし、2022年にはMA機能を有するKARTE Message、広告領域のKARTE Signalsのローンチ、アプリ改善のKARTE for Appがメジャーアップデートをするなど、プロダクトが続々と立ち上がりました。これまで1つだったKARTEという入口から、マーケットの課題に応じて多面的なソリューションをもつプロダクトに変わっていくタイミングでした。
プロダクトごとにターゲットや訴求軸が異なるなかで、よりソリッドなメッセージングを試して改善していかないと市場競争力を保てなくなるのではという危機感がありました。
数値の定義を見直し、ダッシュボードで可視化
ー インバウンドの改善が優先度の高い事業課題だったんですね。課題に対して、どのように取り組んできましたか?
所澤:まずは、MQL・SQLといった数値の定義をISチームと一緒に見直しました。また、今までバラバラで管理していた各ファネルのデータを連携したダッシュボードを作り、流入経路別のリード獲得からフェーズアップ、受注に至るまでを一つのダッシュボードで可視化できるようにしました。
福原:これはかなり泥臭い作業でしたね(笑)
所澤:そうですね〜、例えばMQLは『ISがアプローチするリード』としていますが、アプローチするか否かをどういう基準で判定するのか?それをSalesforceのどのオブジェクトの何の項目を使って管理するのか?を決める必要があります。そのためにこれまでの実態はどうだったのか1件1件ログを確認して、ヒアリングして、マーケティング×ISで話し合って・・・の繰り返しでしたね。
この過程を通して、MQLに対しての商談化率・受注率、という目線合わせができたことで、ただリードを集めればいいのではなく、後続のISやセールスのためにどのチャネルでどう集客したらいいか、という視点に切り替わりました。マーケのKPIに、サブKPIとしてSQLを追加したのもこのタイミングです。
福原:ダッシュボードで数値の深掘りができるようになったことで、感覚的なフィードバックだけではなく、数値をベースに議論が進むようになり、やるべきことがシンプルに決められるようになりましたね。
所澤:ダッシュボードは初期のイメージからかなり進化していて、今でも毎月のように何かしら改修している気がします(笑)マーケ側でも効果的なチャネルを把握したり、伸び代がありそうな活動にリソースを集中できるようになりました。
インバウンドの勢いが会社の熱量を引き上げる
ー セールスとマーケで組織は分かれていますが、課題に対するベクトルが完全に一致して、良い距離感で動けているんですね。
福原:チームのミーティングも合流していますし、席も隣なので、1チーム感があります。かなり心理的安全性が高い状態で連携できています。以前より率直にフィードバックしやすくなりましたね。
インサイドセールスの業務って、オペレーショナルな業務を粘り強くこなして数値目標を追いかけていくことの繰り返しなので、足元の商談数だったり稼働量に目線が狭まりやすいんですよね。ただ、この1年はマーケの皆さんに適切なフィードバックが返せるように、お客様との日々の対話を通してマーケットの課題感の変化やメッセージングのギャップを意識するようになり、自然と目線も上がった気がします。
所澤:ISチームが商談化したタイミングで必ずSlackで私たちのチームにもmentionしてくれるので、都度どのLPでどういう人が商談化して反応がどうだったかが分かり、改善ポイントをすぐに実行していけます。「一緒に作った商談だ」って喜び合えるのはすごくいいですよね。
ISの数値が厳しい時はマーケ側も追加施策に奔走しますし、逆にマーケ側の数値が厳しい時は掘り起こしなどの活動で支えてもらっています。お互いの活動が見えているので信頼感があり、本当に良い関係性だと思います。
ー ISのリクエストをマーケが実行して、改善が進んだエピソードはありますか?
福原:フォームの改善を一緒に進めましたね。
フォームの入力項目は少ないほど通過率が高いというのが一般論ですが、会社名だけだと適切なご案内が難しいケースも多くて。
特に、プレイドはクライアントに提供できる支援領域の幅が多岐に渡っているため、お客様から適切に情報を引き出して期待値を調整して、商談を設定するのはなかなか難易度が高いんです。
そこで、自由記述欄への記載を促すような改善を進めました。CVRが落ちないようにディスカッションをしながら進めて、一定効果を実感できました。
その他、取り組んだ施策に関しては、こちらのnoteも読んでいただけると嬉しいです。
ー 取り組みを始めてからの成果や、チーム内外で起こった変化について教えてください。
所澤:具体的な数値成果に関してはあまり詳しく言えないのですが、昨年実績を大幅に更新することができました。
福原:マーケとISの活動は『THE MODEL』でいうファネルの初手を担っているので、個人的に「勢い」をすごく大事にしています。組織が短期間で変化していたタイミングで、ファネルの最初の方でコミット高く取り組んでいるチームがあり成果が出ていることは、会社の熱量を上げる皮切りになったと感じています。
社内の他チームから「一番勢いがあるね!」と声をかけられた時は嬉しかったですね。
事業成長にまっすぐコミットできる環境
ー 最後の質問です。今後、どのようなことにチャレンジしたいですか?また、どのような人と一緒に働きたいですか?
所澤:マーケとしては、今後はより、狙いを定めた活動ができると良いと思っています。量は担保した上で、業界ごとの課題感に対して商談の質をあげるところにコミットしたいです。データを整備して俯瞰できるようになったので、検証・改善のスピードアップを目指したいです。
福原:ISとしては、商談を作るだけではなく、セールスが入り込むタイミングをなるべく上流に持っていきたいと思っています。プレイドの持っているアセットをフル活用すれば、上流のプランニング・戦略作成から実行部分までなんでもできる。そういった商談をたくさん供給できれば、1案件あたりのサイズ感も当然大きくなりますし、セールスにとってもやりがいのある、おもしろい提案ができるようになると思うんですよね。
自分たちの活動が事業成長に繋がっているイメージを共有できる方と、ぜひ一緒に働きたいですね。
所澤:分かります、「背負いたい人」ですよね。
ただ決められた仕事をやるだけではなくて、何をやるべきかから定義してissueレイズできる人、仮説を持ってissueを解きに行ける人と一緒に働けたら最高です。
マーケは、事業のなかで大きな予算を預かっているので華々しく見える一面もあると思います。でも実際は、ちまちました手作業とか泥臭いことも多かったりします。そういったことでも「やるべき」と思うなら、嫌がらない気持ちが大事。
福原:けっこう体育会系ですね(笑)
たしかに、オープンな文化なので聖域や制約もないですし率先して動きたい人、それを楽しめる人にとっては、めちゃくちゃいい環境ですよね。
所澤:まだまだ創業10年目のスタートアップなので、市場を見ても社内を見渡しても、課題がいっぱいあると思います。そういった環境を楽しみながら、アウトプットにつながる部分を一緒に、熱量高く取り組んでいける仲間が増えると嬉しいです。
ー ありがとうございました!