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常に挑戦者であり、変化し続ける──プレイドのパーパス「PLAY&AID」についての対話

プレイドには活動の土台となる言葉の一つとして、パーパス「PLAY&AID」があります。

さまざまな関係者と共に価値創出に挑む際、パーパスはどのように機能しているのでしょうか。捉え方や向き合い方について、取締役の高柳慶太郎と事業開発組織「STUDIO ZERO」の藤井陽平に話を聞きました。


「PLAY&AID」はプレイドに関わる人を惹きつけるエンジン

──まず、お二人の自己紹介と簡単な経歴をお願いします。

高柳:プレイドの取締役をしている高柳です。2005年に新卒で楽天株式会社に入社しました。楽天では、楽天グループのデータを活用した広告商品のプロデューサーなど広告ビジネスを経験。そこで代表の倉橋と出会って、2011年にプレイドという会社を設立しました。

プレイドではビジネス側の管掌役員として、セールス、マーケティング、カスタマーサクセスなど幅広く見てきました。この1年ほどは外部パートナーと一緒に、プレイドの技術力とデータを活用して、社会の課題を解決していく新規事業の創出を担当しています。

藤井:プレイドの事業開発組織 STUDIO ZEROで、顧客戦略の設計やグロース支援を担当している藤井です。2013年に博報堂に入社し、企業のリブランディングや新商品・新ブランドの開発をお手伝いするブランディングの業務を担いました。

その後、社内起業して取締役に就任し、約5年の間商品開発、サービス開発、戦略設計などゼロイチで何か新しいものを生み出す際の支援をしていました。プレイドに入社してからはグロース領域を主に担当し、お客様の事業を顧客視点で成長させていくための支援を行っています。

──プレイドの「PLAY&AID」というパーパスはどのようなものなのでしょうか。

高柳:プレイドは、一人ひとりの人生において、何かに全力でのめり込むことや自身の能力を発揮すること。何よりも、楽しむことを大切にし、事業を通じてそれらを積極的に支援したいという想いを持って生まれました。

プレイド(PLAID)という社名は、「楽しむ(PLAY)」と「手助けする(AID)」を組み合わせたものとなっていて、社名にもこの思いは込められています。「PLAY&AID」というパーパスも、創業以来変わらず持ち続けている、想いを言葉にしたものです。

(高柳慶太郎)

高柳:「PLAY&AID」の意味は明確に定義しているわけではなく、ある程度一人ひとりに解釈を委ねている部分もあります。とはいえ、共通している部分もあるので、そこを話してみようと思います。

「社会運動はどうやって起こすか」という、デレク・シヴァーズによる有名なTEDトークがあります。このトークで彼は「どんな規模の社会運動も、その運動を始める一人目がいる。そして、その一人目は勇気を持って嘲笑されなければならない」と話しています。

このトークから得られる学びは、傍観者でいるより、プレイヤーでいる方が楽しい、というもの。祭りの神輿も路上で見ているだけより、担ぐ側に回った方が楽しいですよね。プレイヤーになることで仕事の手触り感を覚えることができるし、成し遂げたときの達成感がより得られるはず。

デレク・シヴァーズ「社会運動はどうやって起こすか」
https://www.ted.com/talks/derek_sivers_how_to_start_a_movement?language=ja

「PLAY&AID」というパーパスの「PLAY」という言葉には、プレイヤーになろう、仕事を自分ごと化して楽しもう、それによって自分を成長させていこう、といった意味が込められています。

ただ、「PLAY」するだけでなく、誰かの手助けになるよう「AID」も大切にする。そうすることで、人が自ら考え、創造する楽しさの先に新しい価値が生まれると考え、さまざまな機会を生み出していこうというのが「PLAY&AID」です。

これはプレイドという会社に関わる人々を惹きつけるエンジンのようなもの。周りを巻き込みながらインパクトを作り出すことを目指す際に、軸になるのがこのパーパスだと考えています。

「パートナー志向」で対等な立場として共に仕事に熱中する

──お二人は日ごろさまざまな企業と仕事を進めているかと思います。パーパスをどのように実践しているのでしょうか。

高柳:人間は、一人では意義のある大きな物事は成し遂げられません。必ず、周囲を巻き込んでいく必要があります。ただ、仕事でもプライベートでもつまらなそうなプロジェクトに人は集まりません。なので、まずは当事者である自分たち自身がワクワクと楽しんでいる状態がベースになるようにしています。

藤井:私が意識しているのは、常にいい緊張関係を保つことですね。そのために「クライアント志向」と「パートナー志向」は分けて捉えています。前者がなるべく言うことを聞く守りの姿勢であるのに対し、後者は対等な立場で言うべきことは言うし、やるべきことはすべてやる攻めの姿勢。

パートナー志向でないと、「PLAY&AID」が手助けする「AID」だけになってしまい、自分たちが楽しむ「PLAY」の部分が欠けてしまう。常にパートナー志向を通じて、自分たちがプロジェクトをリードする姿勢を貫きたいと考えています。

(藤井陽平)

高柳:パートナー志向は重要ですね。クライアントと接する際は、一緒に企てる意識を常に持つようにしています。ただ単に真面目に仕事をするという意味ではありません。お互いちょっと背伸びをしながら、一歩踏み込んだ取り組みを企てる感覚。

これまでの延長線上で、いつもと変わらぬ仕事をするなら、プレイドが一緒にやる必要性がない。共に「PLAY」の精神を持ってプロジェクトに臨み、高いハードルに挑むことで、自ずと仕事に没頭できるようになっていく。

藤井:とても共感します。「難しいことに挑戦する」というのは大事にしていますね。すでに勝ちパターンが分かっていることなら、私たちが新たに介在する必要がない。お互いに正解が分からない難しいイシューの解決策を一緒に探していくのでなければ、私たちが加わる意味がありません。

──「PLAY」する上では、難易度の高いことへの挑戦も大事なんですね。

藤井:個人的に「PLAY」という言葉には、先が読めない難しい局面で最高の一手を打ち続けていくスポーツ競技のような印象も持っています。なので、「PLAY」のニュアンスとしては「遊ぶ」というより「熱中する」に近いかもしれません。

高柳:言い換えれば「没入」で、がむしゃらにトライしている状態ですね。「PLAY」という言葉は、一般的な言葉の解釈の通り、ただ楽しそうにワイワイやっているわけではない。むしろ、無心になって結果を追い求めている状態に近いのが「PLAY」が意味するところ。

僕らとプロジェクトを共にすることで相手にも同じ熱量で活動できるように働きかけていく。プレイドと一緒に仕事をする人たちとも「PLAY」を共有しながら、仕事をすることを大切にしていますね。

手段の自由度を上げ、本質的な価値創出に向き合う

──「PLAY&AID」を意識して仕事をすると、どのような変化が生まれるのでしょうか。

高柳:具体的なエピソードとして思い起こすのは、販売員DXを加速するビデオ接客ソリューション「KARTE Jam」の開発プロジェクトです。

ソリューションの開発を進めていたのはコロナ禍だったこともあり、クライアントの売上も大きく落ち込んでいた時期。ともすれば短期的な売上を伸ばすための施策に着地してしまっていた可能性もあります。それが悪いわけではありませんが、せっかく私たちが関わるのであれば、短期的な売上ではなく、未来も見据えた活動にしたかった。

結果として、この取り組みは単に接客のチャネルを動画に変えたというだけではなく、そもそも働いているスタッフの知識だったり接客力のようなものが、実は企業の成長の源にあることを発見できました。表層的な技術の実装にとどまらず、企業が持つ価値の探索からご一緒し、本質的な目的に向かって取り組めた、プレイドらしい事例だと思います。

KARTE Jam:まるでジャムセッションのような新しいビデオ接客ソリューション

藤井:私たちはデータを使ってエンドユーザーの顧客体験の価値を向上させるための取り組みを日々行っています。パーパスには、そのためには手段にとらわれる必要はないという考えも含まれていると思っています。クライアントに伴走する中で、パーパスの実現に向かうのであれば、KARTEにとらわれずどんな手段でやってもいい。そうすると、できることは無限に考えられます。

普段の仕事でも、KARTEに限らないさまざまな相談を受けます。例えば、旬の食材を購入できる産直アプリ「ポケットマルシェ」を支援するなかで、生産者にどう働きかけられるといいだろうか、という相談がありました。ポケットマルシェは生産者と消費者をつなぐサービスで、KARTEは主に消費者向けに利用していたので、生産者向けの施策を考えるというのはやっていなかったんです。

最初は、KARTEで生産者向けに情報を出そうかと検討したのですが、「本当にKARTEで出すことが正解なのか?」と立ち止まって。クライアントとも相談して、最終的に私が生産者向けのセミナーに登壇し、80名ほどの生産者の方々に顧客データからわかることをお伝えすることになりました。KARTEを使わず、自分なりのやり方で取り組んでみた事例で、個人的にプレイドらしい取り組みだったと思っています。

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──姿勢として「PLAY&AID」は大事ではあるものの、手段は自由であると。

藤井:そうですね。クライアントと「データで人の価値を最大化するため」の議論を重ねていると、熱が伝播していく感覚を得ることがあります。お互いがそのモードに入ることで、手段の自由度が増して、次から次へと建設的なアイデアが浮かんできます。

例えば、普段の仕事で僕たちはKARTEに蓄積されているデータから分析を行います。「エンドユーザーはこういう人たちかもしれない」という姿は描けるのですが、それ以上の解像度にはなりません。

あるクライアントと分析を進める中で「この先はスタッフに直接話を聞きましょうか」となって、一緒にスタッフヒアリングをしたことがあります。

すると、少しずつプロジェクトメンバーに変化が生まれたんです。「現地に行ってみた」という人が出たり、「最近、こういう雑誌に情報が載っていて」という人が現れたり。そういう自由に思考して行動する人が一人現れると、自然発生的に巻き込みが起きて、他の人もどんどん自由になっていく感じがありますね。

先ほど、高柳さんから「社会運動はどうやって起こすか」についての話がありましたが、熱が人から人へ伝わり、それぞれの手段で仮説検証が繰り返されるので、プロジェクトが勝手に前進していきます。この状態になると、いい意味で「仕事感」がなくなっていきますね。

いつまでもチャレンジャーとして変化し続けるために

──難しいことへの挑戦や、新しいことへの挑戦は失敗もありそうです。

藤井:仕事は失敗してなんぼだと思うんです。新しいことに挑戦して、うまくいかない、想定通りにならないことを経験する。それが大切なんですよね。

プレイドは失敗したとしても、そこから何が学習できるのかを大切にする会社です。パーパスに置き換えてみると、真剣に「PLAY」するから、失敗しても許容する「AID」がある。つまり、「PLAY&AID」が挑戦の土台にあるんですよね。真剣に取り組むほど、失敗は学びのチャンスとなり、次の挑戦における成功確率は高まります。

高柳:真剣に取り組んで失敗を重ねるからこそ、次にどうすればいいのか方向性が絞られていく。逆に、学びを含んだ失敗は本気で取り組んだときにしか生まれません。現状維持も衰退につながるので、新しいことに臆することなく「PLAY」し続ける姿勢が大事なのではないかと思いますね。

藤井:仕事を抜きにして、一人の人間としても大事な姿勢ですよね。同じ場所に居続ければ成長は限られ、むしろ弱体化してしまって、新しい景色は見えてこない。物事に真剣に取り組むことから変化や競争に直面するし、それを乗り越えようとすることが自分の陳腐化に対する抵抗になるのだと思います。

例えば、プロのスポーツ選手であれば、相手は自分のことを研究してきますよね。たとえ、優秀な選手であっても、毎年同じ球を投げるだけでは対応されてしまう。相手の研究に対する抵抗力を持つこと、言い換えれば同じ場所に居続けるのではなく変化することが大切。それはビジネスでも同じことが言えると考えているんです。

毎年、同じ場所に居続けても成長しない。自分の能力を上げていく、変化に適応していく、といったことをしていかないと、新しい景色は見えてきません。真剣に取り組む中で変化が生まれて、それが自分の陳腐化に対する抵抗につながり、個人としてのレベルアップやモチベーションアップにつながってくると思います。

パーパスは口にせず、姿勢によって伝わるもの

──パーパスについて、普段言葉にする機会はありますか?

高柳:「PLAY&AID」は自分たちのベースにあるスタンスを表現した言葉なので、対外的に発信することはほとんどありません。相手とのコミュニケーションの裏側には常にパーパスが含まれているので、それを感じ取ってもらいながら同じ目線でプロジェクトに取り組みたいと考えています。

藤井:先ほどパートナー志向について説明しましたが、目的のためには手段を問わないことに関して「KARTE以外のこともやるんですね」と言われることがあります。言葉でパーパスを説明するよりも、実践を通じて感じてもらう。最初に説明しても分かりづらい場合も多く、後からプロジェクトを振り返って理解してもらえるのだと思います。

高柳:一方、ミッションである「データによって人の価値を最大化する」は先に伝えることが多いですね。ミッションはプロジェクトの目的になり得るのですが、パーパスはそうではありません。パーパスという言葉は、直訳すると「目的、意図」という意味ですが、プレイドにおいてパーパスは、自分たちがどんな存在でいるかのスタンスを言語化した「存在意義」を示した言葉だと思います。

藤井:「PLAY&AID」を社員向けのメッセージと捉えると「求めよ、さらば与えられん」の含意があると思っています。前のめりに「PLAY」することが当事者の成長につながるのであれば、会社としてはどんなことでも支援する。逆にいうと、求めなければそうしたサポートは限定的になってしまう。

今のプレイドは、中途が圧倒的に多い。一人ひとりが培ってきた挑戦と技能を持っていて、それらをかけあわせて強みにしている。

新卒で入社した方やまだ経験が浅い方であっても、自分から前のめりに活動していけば、こうした多様なキャリアを持っている人たちから、つまみ食いして良いところを学べる最高の環境。もちろんキャリアを重ねてきた人同士もつまみ食いをし合っています。PLAY&AIDというパーパスを体現し、挑戦をする方がさらに増えるといいですね。


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